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ヒデキ 決勝二ゴロ

最大の見せ場 勝負運失わず

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7回1死満塁、セカンドゴロで決勝点を挙げた松井秀(1日、ニューヨークのヤンキースタジアムで)=清水健司撮影

ヤンキース3―2ブルージェイズ

 「思いっきり5年前を思い出した」と松井秀。2―2の同点で迎えた一死二、三塁。前のポサダが敬遠された。勝負所で回ってきた満塁の場面。メジャー1年目の2003年は、本拠地開幕戦で第1号満塁本塁打を放っている。見せ場だ。

 相手は最大の難敵、ハラデー。外へ沈むシンカーを操る右腕は昨年まで34打数7安打の打率2割6厘。150キロ前後の球速があり、変化球は切れ、制球もいい。「追い込まれる前の甘い球を何とか、と思っていた」。数少ない失投を確実にとらえられるか否か――。

 初球、外よりの速球を迷わず振った。が、打ち損じた。相手は併殺狙いだから、最悪でも犠飛と「何とか外野に飛ばす」つもりだった。だが、術中にはまりかけた強いゴロを二塁手がはじき、一塁走者が二塁でアウトとなったものの、三塁走者がかえって勝ち越しの打点がついた。併殺間違いなしの凡打が、一転して決勝打に。勝負は分からない。

 「安打なら一番良かったが、自分の打点でチームが勝った。悪い気はしない」と松井。オープン戦と違い、これからは結果がすべてだ。試合後、ジラルディ監督から背中をたたかれ、ねぎらわれた。自分の能力を証明し、打順を上げたい8番打者。勝負運から見放されてはいない。(ニューヨーク、小金沢智)

2008年4月2日  読売新聞)
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