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松井通算444号 ミスターに並ぶ

 【ボルティモア=小金沢智】ヤンキースの松井秀は23日、オリオールズ戦に7番DHで先発。4―3と1点リードの七回の第3打席で右中間へ9号ソロを放ち、日米通算の本塁打数を長嶋茂雄に並ぶ444に伸ばした。日本では出場1268試合で332本塁打、メジャーでは755試合で112本塁打。メジャー通算500打点も記録した。

 試合はヤンキースが5―3で勝った。

 七回、松井秀の打球は右中間へ美しい放物線を描き、長嶋茂雄の本塁打数に並んだ。4―3と競った場面。「非常にいい所で出た」と一発の価値に素直に喜んだ。しかし、「並んだ」という認識には戸惑いがある。

 確かに同じ444号でも、ペースは163試合早い。メジャーという厳しい環境に身も置き、必死に適応してきた。

 しかし、日本の3・8試合に1本が、ここでは6・7試合に1本に減る。長年の期待を思えば、歯がゆい。だから、恩師の心境をこう予測する。「遅い、の一言。もっと早く打てただろうってね」

 そもそも、並んだと言えるのか。巨人入団のくじを引き当てて以来、時には球場で、時にはホテルの室内で、付きっきりの指導をしてくれた育ての親。「時代も違うし、環境も違う。単に本塁打という数字に関してのこと」。そう言葉を濁すのは、たとえ数字で並び、追い越しても、子は父を越えられないからだ。

 「もちろん光栄なんだけど……」。終始、歯切れの悪い444号。だからこそ、いまだに続く恩師への熱い思いがのぞいた。(ボルティモア、小金沢智)

 長嶋茂雄・巨人終身名誉監督「松井選手にとってこの数字(日米通算444本塁打)はまだ通過点。故障で不本意なシーズンになってしまいましたが、来季は万全な体調でプレーしてほしい」

2008年8月25日  読売新聞)
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