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開幕4番 恩返し弾

 【ボルティモア=小金沢智】ヤンキースの松井秀が6日、オリオールズ戦で日米通算445号(日本332、米国113)をマーク。巨人時代の恩師、長嶋茂雄氏の444本を上回る節目の1本となった。松井秀にとっては3年ぶり3本目の開幕戦本塁打。

松井秀、ミスターに電話報告

オリオールズ10―5ヤンキース

 4番に座った松井にとって、それまでの好機で凡退したうっぷんを晴らす2ランだった。3点を追う七回一死一塁、初球の直球を力強く振り抜き、右中間席へ。この時点では1点差に迫る中軸らしい日米通算445号だった。

 長嶋氏を本塁打数で超えた。巨人入団のくじを引き当てて以来、付きっきりで指導をしてくれた父親のような存在。メジャー入団後もオフのたびに会食する。「今オフも3回か4回、ご一緒した。うれしかったな。毎年、会うたびに元気になってるから」。2004年に脳梗塞で倒れた恩師の回復ぶりを自分のことのように喜んでいる。

 敗戦での一発に表情はさえなかった。それでも帰り際に長嶋氏に国際電話で報告した。「右中間に打てるということは、状態もいいんだろう」。そんな激励を受けた。

 「僕の活躍を監督が一番喜ぶ。それが一番の恩返し」。脳裏のどこかで常に恩師を意識し、打ち続けるつもりだ。(小金沢智)

2009年4月7日  読売新聞)
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