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松井、12号…狙い絞り、苦手攻略

 【ニューヨーク=小金沢智】米大リーグは4日、ヤンキースの松井秀が、第1打席で今季12号ソロを放つなど4打数2安打1打点と活躍した。チームは延長十二回サヨナラ勝ち。

 マリナーズのイチローはレッドソックス戦で5打数1安打。レッドソックスは同点の九回に登板した斎藤が、1失点で2敗目(2勝)を喫した。

 1点を追う二回、松井秀が強烈なライナーを飛ばした。カウント1―2から低めのシンカーを右中間席へ。花火が夜空を彩る独立記念日に、デーゲームで前もって花を添える同点ソロは、自賛の一発でもある。苦手右腕のハラデーはカットボールも自在に操るが、「両方を追いかけて打つのは難しい。うまく狙い通りに打った」。

 今季10勝のサイ・ヤング賞右腕は、この日の序盤のように、左打者には内に食い込むカットボールも多投するが、松井は逃げるように沈むシンカーに絞っていた。ボールを引きつけ、しっかり踏み込んだ打撃を4球目に見せた。過去に苦しめられた球種を惑うことなく待ち切った結果だ。

 過去、ハラデーからの2本塁打は10点差以上ある大敗の場面。相手の油断を誘えない今回は違う。「ある程度、自分の間合いで待てている。それができれば強いスイングができる」。難敵の武器を打ち砕き、上昇への予感を強めている。(小金沢智)

2009年7月6日  読売新聞)
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