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松井秀、3安打5打点

ヤンキース13―3オリオールズ

 松井秀が、凡打の中からヒントを得た。

 三回、ワンボールから甘く入った速球を狙った。結果は三邪飛。一、三塁の好機をつぶした一打に思う。「完全にとらえた感じだった。サードにポップフライが上がったのは、何かスイング軌道がおかしい」

 松井は一瞬のズレを、バットが遠回りしているためと判断。コンパクトに振るイメージを改めて自分に植え付けた。効果はずばり。続く五回、鋭く右前へライナーを飛ばすと、同点の六回二死満塁では勝ち越しの2点適時打を右前へ。八回には24号3ランを右翼席へ放り込み、勝利を決定づけた。豪快というより、いずれもシャープな打撃。見事な修正力だ。

 四回、アウトカウントを間違えた味方のミスで失点し、五回にはストライクの判定を巡り、ロドリゲスとジラルディ監督が退場となった。そんな嫌な空気を振り払い、自分の好機での凡退も帳消しに。「いい試合になった」。シンプルな言葉ながら、中身の濃い5打点が詰まっている。(ニューヨーク、小金沢智)

2009年9月14日  読売新聞)
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