秀喜1安打…Wシリーズ第1戦【ニューヨーク=岡田卓史】米大リーグの今季王者を決めるワールドシリーズ(7回戦制)は28日、ニューヨークで開幕し、第1戦はフィリーズ(ナ・リーグ)が6―1でヤンキース(ア・リーグ)を下して先勝した。 松井秀は6番・指名打者で先発出場し、五回の第2打席で中前打を放ち3打数1安打だった。フィリーズは三回、アットリーのソロ本塁打で先制すると、六回にもアットリーが2打席連続のソロを放った。八、九回にはヤンキースの中継ぎ陣を攻めて計4点を奪い、試合を決めた。投げてはリーが9回を1失点で完投勝利を飾った。両チームがワールドシリーズで対戦するのは1950年以来59年ぶり2度目。 「特別な場所」に帰ってきた松井秀。6年ぶりのワールドシリーズで、2003年の対マーリンズ第4戦以来の安打を記録した。1点を追う先頭の五回、左腕リーにカウント2―0からボールをよく見てフルカウントまで粘り、最後は外の速球を中前へ打ち返した。 追い込まれてからの粘り。松井の持ち味でもある。今季もそうだ。5月12日、右太もも裏を痛めたことで打撃も悪化。「体もバッティングも低迷していた。故障者リスト入りと言われても仕方なかった」。打率2割5分台を推移し、左ひざにも不安が消えない中、マイナーでの再調整指令さえ覚悟した。しかし、27日のレンジャーズ戦で今季初の1試合2本塁打を放ち、自ら危機を脱した。 この日、執念の中前打が同点につながらなかったのは残念だ。ただ、「付け入るスキがなかった」というリー相手に1本打つことで、第2戦以降に向け、両肩にかかる重圧を少しだけ軽くした。(ニューヨーク、小金沢智) (2009年10月29日 読売新聞)
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