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技あり決勝弾、秀喜ご機嫌…Wシリーズ第2戦

 【ニューヨーク=岡田卓史】米大リーグのワールドシリーズ(7回戦制)の第2戦が29日、ニューヨークで行われ、ヤンキース(ア・リーグ)が3―1でフィリーズ(ナ・リーグ)に逆転勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。

 5番・指名打者で先発出場した松井秀は、1―1の六回に決勝の勝ち越しソロを放つなど、3打数2安打1四球で勝利に貢献。松井秀のワールドシリーズでの本塁打は、入団1年目で初出場した2003年以来2本目となった。

 ヤンキースは1点を追う四回にテシェイラのソロで追いつき、六回に松井のソロで勝ち越した。七回に加点した後、守護神リベラが八、九回を抑えた。先発バーネットが7回1失点で勝利。第3戦は31日、フィリーズの本拠地のフィラデルフィアで行われる。

 初戦に敗れて迎えた第2戦。松井秀が見せたのは肝っ玉の太さだ。自分のフリー打撃に何とか間に合う遅刻をしでかす一方、好投のペドロ・マルティネスから同点の六回二死、右翼席へ決勝ソロを放って見せた。

 通算打率2割9厘と相性の悪い相手に、「体がうまく残った」と自賛の一発。カウント2―1から、ひざ元へのカーブをうまくすくい上げた。追い込まれてから速球系のタイミングで待ち、後は体の反応に任せるという自然体の打撃。第1打席で同じカーブを右前に運んだ感覚も、瞬間よみがえったかもしれない。

 2連敗したチームが逆転優勝を遂げたのは、過去105回のうち11例しかない。窮地を救った男は2004年の球宴に続く、大舞台での遅刻を問われ、「ホント? 覚えてないね。誰も気づいてない感じだよ」と、とぼけて笑わせた。

 第3戦からDHがなく先発を外れるが、試合前に少しだけノックを受け始め、万一の起用に備えている。代打から、そのまま今季初となる念願の守備につくケースだ。口も軽やかに一日を終えた松井。気分良く、敵地に向かう。(小金沢智)

2009年10月31日  読売新聞)
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