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秀喜、代打で一発…Wシリーズ、ヤンキース連勝

 【フィラデルフィア=小金沢智】大リーグのワールドシリーズ第3戦は31日、ヤンキース(ア・リーグ東地区)がホームのフィリーズ(ナ・リーグ同)を8―5で破り、2勝1敗とした。

 先発を外れた松井秀は八回に代打で出場し、リードを広げる左越えソロ本塁打を放った。本塁打は2試合連続で、地区シリーズから3本目。ヤンキースは3点を追う四回、ロドリゲスの2ランで1点差とし、五回にデーモンの2点二塁打などで3点を奪って逆転。七回から継投で逃げ切った。6回4失点のペティットはポストシーズン通算最多を更新する17勝目を挙げた。

「不思議な感じ」4年ぶり左翼弾

 3点リードの八回二死。代打で出た松井秀は、カウント1―1からの速球をたたいた。体重の乗り切った打球は、そのまま左翼席へ。「だいぶ長い間、打ってなかった。何だか不思議な感じ」。レフトへ、4年ぶりの本塁打となった。

 一発は断然、右方向への打球が多い。この一打が、メジャーで課題だった逆方向への長打を増やす契機となるかは分からない。松井も、「振り遅れ気味で芯に当たった。逆方向へ打った感覚ではない」という。

 ミスを一転、長打に変えた打撃だ。直前、外へ逃げる同じような速球を空振りした。「軌道として、空振りで分かった部分があったのかもしれない」。ボールが変化していく軌道イメージに、今度は自分のスイングを一致させた。上からボールをたたくスイングが外へ逃げる速球に、今度はフェンス越えに必要な角度を付けた。だから「いいスイング、いい打球が飛んだ」。

 この日対した右腕マイヤーズは通算4度の対戦と情報は少ない。それでも直前に犯した1球へのミスから、点を射抜くような打撃につなげた。DH制がないナ・リーグの本拠地で、1度の打席にかける松井。イメージと打撃を瞬時に直結させる、研ぎ澄まされた感性を発揮した。(小金沢智)

2009年11月2日  読売新聞)
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