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松井「外野守りたい」…DH専任に難色

 【ニューヨーク=小金沢智】ヤンキースからフリーエージェント(FA)となった松井秀喜外野手は、前所属球団との優先交渉期限が切れた20日以降、全30球団と交渉が可能となった。残留か移籍か――。今後のシナリオを占った。

残留か移籍か

 ヤンキースからは松井、デーモン、ペティットの主力3人を含む7選手がFA申請したが、動きはまだない。キャッシュマンGMは23日、「誰ともまだ連絡を取っていない」と明言。オーナー側と来季の年俸総額を折衝中で、獲得候補の優先順位付けと必要な契約内容を見定める作業はこれからだ。GMはFA市場に本格参戦する前に、まずヤンキースからFAとなった7人に連絡を取り、状況説明を行う方針。これが残留交渉につながっても、松井には厳しい条件提示となりそうだ。GMは松井を「指名打者(DH)オンリー」とみているが、DHはベテランの主力選手に休養を兼ねて与えるポジションとしても必要になる。このため条件提示しても、今季の年俸1300万ドル(約12億円)から半減程度の大幅減による1年契約もあり得る。

 松井は「左ひざさえ良ければ、『DH以外はやらせない』というのは自分にとって良くない」とし、DH兼左翼手としてでも守備機会を望む。ただ一方で、チームとニューヨークへの愛着は強い。厳しい条件提示でも、DHのみで先発機会が減る可能性をのんだうえ、残留するケースはある。

 選手寿命を重視しての移籍もある。DHのみでは体のキレが衰えるからだ。DHのゲレロがFAとなったエンゼルスのリギンズGMは「(松井は)素晴らしい打者。毎日は無理だろうが、制限付きで外野も守れる」と関心を寄せる。ベテランの主軸トーミとダイがチームを去ったホワイトソックスなど、DH兼外野手を必要とするア・リーグの球団が候補だ。

 ただ、不況の影響でFA市場の動きは鈍く、決着は長期化が予想される。

2009年11月26日  読売新聞)
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