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FA松井に厳冬…大物2人優先、不況で観客減

 【インディアナポリス(米)=小金沢智】大リーグの球団幹部や代理人が一堂に集まり、補強戦略のための情報交換などを行うウインターミーティングが7日(現地時間)に、インディアナポリスで始まった。

 ヤンキースからフリーエージェント(FA)となった松井秀は、ワールドシリーズのMVPで勝負強さを印象づけたものの、今オフは不利な条件が重なる厳しい冬となりそうだ。

 野手のFA市場には、2人の主役がいる。一昨年に打点と首位打者の2冠を取ったホリデー(前カージナルス)と、今季119打点のベイ(前レッドソックス)だ。いずれも長期契約が必要となる左翼手だが、エンゼルスやレッドソックスなど、中軸の補強を狙う球団が獲得に本腰を入れる模様で、左ひざに不安が残る指名打者(DH)兼左翼手としての松井より、優先的に資金を投入する候補となる。

 今年はFA戦線の出足を鈍くする要因もある。不況の影響で総観客動員数が6・5%減となるなど経営環境を圧迫。さらに、来年オフには球界屈指の右腕ハラデー(ブルージェイズ)ら大物がFAとなる。球団経営に詳しいスミス大のアンドリュー・ジンバリスト教授は、「不透明な景気が球団の動きを鈍らせている。ハラデーら超一流選手のFAも翌オフに控えており、保有球団がその前にトレードに出すかを、(獲得に興味を示す)他球団は見極めようとする」と指摘、各球団とも様子見の傾向ではと分析する。

 球界最高の資金力を持つヤンキースも、来季の年俸総額を今季より1500万ドル(13億5000万円)超削減すると伝えられている。予算引き締めの中、「(補強の)優先順位は固まった」と話すキャッシュマンGM(ゼネラルマネジャー)は、松井の起用について、代打出場の後の守備も否定するなど、完全なDH候補との見方を変えていない。残留のオファーをするにしても、年俸は大幅減の厳しい条件提示となりそうだ。

2009年12月8日  読売新聞)
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