秀喜、人生初「赤」…エンゼルス入団【アナハイム(米カリフォルニア州)=霜田聖、萱津節】大リーグのヤンキースからフリーエージェント(FA)となった松井秀のエンゼルス入りが16日(日本時間17日)、正式発表され、エンゼルス球場で松井やマイク・ソーシア監督らが約100人の報道陣を前に記者会見を行った。去就を巡る交渉が急転直下、まとまった舞台裏などを松井の言葉や代理人、球団幹部の話から探る。 秀喜「チャンス与えてくれた」…入団会見一問一答は次の通り。 ――入団の経緯は 「ヤンキースに強い気持ちはあったが、自分の希望をかなえてくれたエンゼルスに行きたいと思った」 ――こだわった部分 「少しでも多くプレーしたく、そのために守備をしたい。チャンスを与えてくれたのが一番の決め手」 ――来季の外野守備は 「ひざは年々良くなっている。春のキャンプでどれぐらいできるか、チームと相談しながらやっていく」 ――ソーシア監督とはどういう話をしたか。監督の印象は 「毎日、プレーする機会を用意してくれると。守備も状態が良ければ挑戦してほしいと言われた。(監督は)細かい野球をやる。投手、守り、走塁すべてでスキのない野球をする」 ――伝統球団の巨人、ヤンキースからエンゼルスに移った 「エンゼルスも強豪で、名門の階段を上っている途中だ。少しでも力になりたい。赤い帽子やユニホームは、人生で初めて」 ――ヤンキースと戦う 「現時点では分からないが、打席に立てば打つだけ。それ以外にない」 監督が守備確約、決断の会食…代理人明かす舞台裏松井の代理人、アーン・テレム氏は16日、著名人が意見を寄せるインターネットのサイトで交渉の経緯などを明らかにした。 ヤンキースで現役を終えたかった松井だが、かなわないなら戦力とスタッフが充実しているエンゼルスとレッドソックスを考えたという。だが、レッドソックスはオルティスの指名打者起用が固まっており、今季の指名打者ゲレロがFAとなったエンゼルスへの関心がより高まった。 ヤンキースの対応を待ってエンゼルスが獲得の意思を失えば、「ワールドシリーズに出られるような強豪球団には行けなくなるかもしれない」と感じていた13日、決定的な日が訪れた。 エンゼルス球団の幹部との会食がセットされ、その席でソーシア監督は、松井に外野守備のチャンスを与えると明言。守備機会を求め、ソーシア監督のファンだった松井には、この言葉が決定的なものとなり、入団に大きく傾く。会食の後、夜通し考えた松井はエンゼルス入団を決断した。 監督はキャンプでひざの状態を確認して起用法を判断する予定だが、テレム氏は「週に1、2試合は守れるのでは。幸い、ヤンキースの本拠地開幕戦の相手はエンゼルスだ」と、皮肉っぽく締めくくった。 ◇ テレム氏は入団会見後、読売新聞のインタビューに応じ、「ヒデキは契約内容より、野球をする環境に関心があった。もちろん外野の守備もだ」と、改めて明言。エンゼルス入団の意義について、「チームの目標はとにかくワールドシリーズ制覇。マツイもその思いを共有している」と、最高の選択だったことを強調していた。(萱津節) 対イチロー、来季19試合…同地区で注目大松井秀のエンゼルスにイチローのマリナーズ。来季のア・リーグ西地区は両者が地区優勝をかけて激突する。 今季、同地区3連覇を飾ったエンゼルスは打線が持ち味。ハンター、モラレスら長距離打者に加え、俊足選手もそろう。今オフ、リードオフマンのフィギンズがマリナーズに移籍し、4番のゲレロも退団が決定的だが、松井の加入で得点力が大きく低下することはなさそう。投手では先発のラッキーが抜けたが、2けた勝利の投手が複数残っている。 一方、マリナーズはワカマツ監督の下、2年ぶりに勝率5割を超える健闘を見せた。ワールドシリーズでヤンキース相手に2勝したフィリーズの左腕、リーの獲得にも成功。2001年以来の地区優勝を狙える戦力が整いつつある。来季の両チームの直接対決は19試合。松井は「(マリナーズへの意識は)特別変わらない」と語ったが、楽しみは増した。(霜田聖) (2009年12月18日 読売新聞)
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