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秀喜、開幕弾 勝ち越し打も

新天地 会心デビュー

 【アナハイム(米カリフォルニア州)=萱津節】米大リーグ、エンゼルスの松井秀は5日、本拠地でのツインズ戦で移籍第1号となる本塁打を放ち、新天地でも華々しいデビューを飾った。

 4番・指名打者で先発した松井秀は、同点の五回には右前打で決勝点となる1打点を挙げ、八回の第4打席に中堅右への1号ソロを放った。開幕戦本塁打は2年連続4本目。ヤンキースとの4年契約が終了した松井秀は今季から西海岸のエンゼルスに移籍。マリナーズのイチローはオークランドでのアスレチックス戦で今季初安打となる中前打を放ち、10年連続の200安打へ順調に滑り出した。

 慌てず、浮かれず、騒がず――。新天地でも松井秀は静かに力強く第一歩を記した。「失投を打った。それだけです」。納得できているからこそ、振り返った言葉はシンプルだった。

 五回の第3打席で突然スイッチが入ったように見えた。2球目を右翼ポール際に大ファウルした後、痛烈な右前適時打。八回の1号ソロは、追い込まれながらもスライダーを右中間最深部に運び、「感触が良かった。行ったと思った」という会心の当たりだった。

 爆発の導火線は最初の2打席。打ち損じたように見えても、時折内寄りに甘く入る相手先発ベーカーの球に、「少しずつタイミングが合ってきていた」。3打席目には、仕留める準備は万全。ソーシア監督も「投手をよく見ている」と目を細めた。

 じっくり攻めた4打席はこの春の調整ペースにも重なった。ヒザを腫らした昨年を反省し、慎重に練習の強度を上げたアリゾナの我慢が開幕戦につながり、「終盤で引き離す大事な本塁打を打てた」とベンチでもすぐに笑みがこぼれた。赤いユニホームの着心地を問われた松井秀は「うん。きょうみたいな日がたくさんあれば、皆さんもいいと思ってくれるでしょう」と地元の大歓声に応えた。

 最高の形でシーズンに突入した松井秀。「いい開幕になりました」と、心から言えるエンゼルスの新主砲の船出だった。

2010年4月7日  読売新聞)
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