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監督交代 追い風に

 「風の街」と言われるシカゴで、松井周辺の風向きが変わった。アスレチックスは9日、成績不振を理由にボブ・ゲレン監督を解任し、ダイヤモンドバックスで2007年に地区優勝したボブ・メルビン監督代行を就任させた。監督代行が「ベテランの松井は、正しい準備の方法を知っている」など、12日で37歳になった最年長の松井を軸に、打線を再建する方針を打ち出したからだ。

 ゲレン前監督は、開幕4戦目から対左投手で松井を先発から外し、右相手でも頻繁に先発落ちに。確かに状態も悪かったが、出たり出なかったりの日々で、調整が難しかったのも事実だ。

 しかし、メルビン代行は松井について、投手の左右は気にせず、シーズン後半に向け状態が上向く傾向にも期待。「力のある打者を固定したい」という3番に、松井を据える構想も示した。

 また、これまでは外野守備の可能性はほぼなかったが、新指揮官は「本人と話して決めたい」としており、指名打者制のないナ・リーグ本拠地での交流戦で、左翼での先発もあり得る。

 打率はまだ2割そこそこで、チームも最下位に低迷する現実は変わらない。だが松井は、「僕だけでなく、みんなそうだと思う」と、トップ交代による空気の変化を感じている。代行就任後の全4試合で打点を挙げ、守備練習でも動きは生き生き。「これからが楽しみ」と巻き返しに燃えている。(萱津節)

2011年6月14日  読売新聞)
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