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ペット飼う前 約束しよう、「命を握る」責任

 ペットを飼いたいと願う子どもたちは多い。だが、安易に飼い始めるのは禁物だ。子どもが責任を持って世話できるよう、事前に親子で話し合い、十分に準備しておきたい。

 「ちょっと我慢してね」。大津市の小学6年、芝原加奈さん(12)は、愛犬の予防注射のため、家族4人で京都市の動物病院を訪れた。姉の高校2年、生子(せいこ)さん(16)と診察室に入ると、愛犬を落ち着かせようと優しく語りかけた。

 加奈さんは小学3年の時、「犬を飼いたい」と母のひろ子さん(39)に相談した。その際に決めたことは「おなかがすいた時には、犬もそう感じているんじゃないかと考えてあげること」。今もその約束を守りながら、えさやりなどの世話を続けている。

 その後、別の犬も飼い始め、子犬も生まれて芝原さん宅の犬は計6匹に。ひろ子さんは「娘たちの心が穏やかになった」と目を細める。

 昨年、内閣府が実施した動物愛護に関する調査で、ペット飼育の良い点(複数回答)を聞いたところ、「生活に潤いや安らぎが生まれる」がトップの61%。「家庭がなごやかになる」55%、「子どもたちが心豊かに育つ」47%――と続いた。

 「ペットは、命とはどういうものかを子どもが実感する貴重な存在」と、帝京科学大教授の花園誠さん(動物介在教育学)は言う。「飼育とは動物の命を握ること。世話をしなくなれば死に至ると想像することで、責任感も身につく」と意義を語る。花園さんの研究では、子どもは小学2年生程度で動物の身になって考え、毎日世話をしようという意識が出てくるという。

 飼い始めたら、子どもがえさやりや掃除、散歩などを続けられるよう、時間ややり方を決め、家族で声をかけ合う。子どもが世話にやりがいを感じるためには、親が一緒にかわいがることも大切だという。

 だが、アレルギー体質の子どもの場合は注意が必要だ。かゆみや涙、鼻水、ぜんそくなどが出ることがある。

 神奈川県立こども医療センターアレルギー科部長の栗原和幸さんは「特にネコのアレルギー原因物質は、空中に浮遊して拡散しやすい」と指摘する。さらに、ハムスターにかまれたり、ウサギにほおずりしたりした後に、呼吸困難など重篤な「アナフィラキシーショック」が起きる場合があることも知っておきたい。

 栗原さんは、飼う前に、小児科などでペットを含めたアレルギーの血液検査をしておくことを勧める。飼い始めた後は、寝室に入れない、定期的にペットを洗うなどに気を配る必要がある。「それでも、ある日突然症状が出て手放さざるを得ないこともある。その時どうするかについても、事前に親子で話し合っておいた方がよい」と助言する。
◆ペットを飼う前に親子で話し合うポイント◆

 〈〉一時の感情で飼うのではなく、じっくり時間をかけて検討する

 〈〉運動量、えさの量など、動物の特性をよく調べる。掃除や散歩の頻度などを考え、無理なく飼えるかどうか、判断を

 〈〉病気やけがの場合は高額の治療費がかかる。経済的な面でも対応できることを確認する

 〈〉近所への配慮が必要な時は、親子であいさつに行く

 〈〉万が一、飼えなくなった場合の引き取り先を想定しておく

 (花園さんの話を基に作成)

2011年10月14日  読売新聞)

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