ペット飼う前 約束しよう、「命を握る」責任
ペットを飼いたいと願う子どもたちは多い。だが、安易に飼い始めるのは禁物だ。子どもが責任を持って世話できるよう、事前に親子で話し合い、十分に準備しておきたい。
「ちょっと我慢してね」。大津市の小学6年、芝原加奈さん(12)は、愛犬の予防注射のため、家族4人で京都市の動物病院を訪れた。姉の高校2年、
加奈さんは小学3年の時、「犬を飼いたい」と母のひろ子さん(39)に相談した。その際に決めたことは「おなかがすいた時には、犬もそう感じているんじゃないかと考えてあげること」。今もその約束を守りながら、えさやりなどの世話を続けている。
その後、別の犬も飼い始め、子犬も生まれて芝原さん宅の犬は計6匹に。ひろ子さんは「娘たちの心が穏やかになった」と目を細める。
昨年、内閣府が実施した動物愛護に関する調査で、ペット飼育の良い点(複数回答)を聞いたところ、「生活に潤いや安らぎが生まれる」がトップの61%。「家庭がなごやかになる」55%、「子どもたちが心豊かに育つ」47%――と続いた。
「ペットは、命とはどういうものかを子どもが実感する貴重な存在」と、帝京科学大教授の花園誠さん(動物介在教育学)は言う。「飼育とは動物の命を握ること。世話をしなくなれば死に至ると想像することで、責任感も身につく」と意義を語る。花園さんの研究では、子どもは小学2年生程度で動物の身になって考え、毎日世話をしようという意識が出てくるという。
飼い始めたら、子どもがえさやりや掃除、散歩などを続けられるよう、時間ややり方を決め、家族で声をかけ合う。子どもが世話にやりがいを感じるためには、親が一緒にかわいがることも大切だという。
だが、アレルギー体質の子どもの場合は注意が必要だ。かゆみや涙、鼻水、ぜんそくなどが出ることがある。
神奈川県立こども医療センターアレルギー科部長の栗原和幸さんは「特にネコのアレルギー原因物質は、空中に浮遊して拡散しやすい」と指摘する。さらに、ハムスターにかまれたり、ウサギにほおずりしたりした後に、呼吸困難など重篤な「アナフィラキシーショック」が起きる場合があることも知っておきたい。
栗原さんは、飼う前に、小児科などでペットを含めたアレルギーの血液検査をしておくことを勧める。飼い始めた後は、寝室に入れない、定期的にペットを洗うなどに気を配る必要がある。「それでも、ある日突然症状が出て手放さざるを得ないこともある。その時どうするかについても、事前に親子で話し合っておいた方がよい」と助言する。
◆ペットを飼う前に親子で話し合うポイント◆
〈1〉一時の感情で飼うのではなく、じっくり時間をかけて検討する
〈2〉運動量、えさの量など、動物の特性をよく調べる。掃除や散歩の頻度などを考え、無理なく飼えるかどうか、判断を
〈3〉病気やけがの場合は高額の治療費がかかる。経済的な面でも対応できることを確認する
〈4〉近所への配慮が必要な時は、親子であいさつに行く
〈5〉万が一、飼えなくなった場合の引き取り先を想定しておく
(花園さんの話を基に作成)
- 仕掛け絵本に新趣向…指人形付き、植物栽培 (2011年12月17日)
- 粉ミルク3か月ごと検査、結果公表…厚労省方針 (2011年12月9日)
- 潜む、やけど危険物 汁物、蒸気 (2011年12月9日)
- 子どもに銭湯の魅力を (2011年12月9日)
- こども園、会社やNPO参入…待機児童解消狙う (2011年12月6日)
- 「明治ステップ」からセシウム…無償交換へ (2011年12月6日)
- 「愛菜」人気が急上昇7位…命名ランキング (2011年12月2日)
- 民主が「子ども手当」提案へ…新給付制度の名称 (2011年12月1日)
- 「子どもシェルター」各地に、虐待から逃げる10代後半 (2011年11月27日)
- デジカメ写真整理術 (2011年11月25日)
ピックアップ
トップ
|
|