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フルモデルチェンジ アウディ「A6」レース技術活用 軽量化アウディの高級セダン「A6」がフルモデルチェンジされた。車体を軽量化し、新世代の四輪駆動システムなどの新技術を採用した。高い品質と燃費性能もセールスポイントだ。(林優樹) アルミ20%超A6は、1968年に登場したアウディ「100」がルーツだ。94年のマイナーチェンジ時からA6となり、初代「100」から数えて今回で7代目となる。 車体サイズは、先代よりもやや大きい。ワシをイメージしたというフロントマスクは力強く、スポーティーな印象を与える。発光ダイオード(LED)を使ったヘッドライトやテールランプも存在感を放つ。遠くからでもひと目でアウディとわかる。 レースで培った技術をフィードバックし、装備の充実などで進む車体の重量化に歯止めをかけた。ボディー全体の20%以上にアルミ素材を使用することで先代より30キロ・グラムの軽量化を実現した。強度も同時に高めたという。 新世代四駆アウディの代名詞と言える「クワトロ」と呼ばれる伝統のフルタイム四輪駆動システムも新世代に進化し、駆動力をより柔軟に配分できるようになった。通常時の前後の駆動力配分は40対60だが、路面の状況によって70対30から15対85まで変化する。前後左右の4輪それぞれに最適の駆動力を配分することで、常に安定した走行が可能になるという。 エンジン排気量は、2・8リットルと3リットルのV型6気筒で、最高出力は204馬力と300馬力だ。アイドリングストップ(停車時エンジン停止)機構やエネルギー回生システムを採用したことで、燃費は、ガソリン1リットル当たり2・8リットルが11・0キロ・メートルに、3リットルも10・2キロ・メートルと、先代よりそれぞれ13%、8%向上した。 内装「工芸品の域」ホイールベースが65ミリ長くなったため、室内は広い。後部座席の足元も余裕がある。さらに荷室容量は、530リットルとワゴン車並みだ。 広いだけでなく、定評のある内装の質感もさらにアップした。素材や仕上げは「工芸品レベルに達した」と自負する。 「音」にもこだわった。 搭載するオーディオは、車の開発段階からオーディオメーカーに参加してもらい、どこの席に座っても、クリアな音が聞こえるようにチューニングしたという。 このほか、エンジンのレスポンスなどを、ドライバーがスイッチ一つで調整できるシステム、手書きで文字入力ができるカーナビ、車速などに応じてシートベルトを巻き上げてくれる装備などが満載だ。 価格は610万円からで、メルセデス・ベンツ「E250 CGI ブルーエフィシェンシー」(634万円)、BMW「523i」(610万円)が手ごわいライバルとなる。 昨年、過去最高109万台2010年のアウディの世界販売台数は、過去最高となる109万台強に達した。日本でも、10年は1万6854台と4年連続のプラスとなり、バブル期を上回る過去最高の販売台数を記録した。 今年1〜9月の国内販売台数は、前年同期比22・8%増の1万6214台と快走が続いている。
(2011年10月31日 読売新聞)
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