現在位置は
です

投資講座

一覧
本文です

エコカー補助金&復興支援住宅エコポイントが復活


ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子

 おととしの秋に、駆け込み需要を掘り起こし、募集終了の期限を待たずに予算を消化してしまったエコカー補助金。エコカーへの買い替えを促進した補助金制度の復活が、自動車業界の強い要望により、昨年12月に閣議決定されました。第4次補正予算が通過して成立した時点で、エコカー補助金が復活する予定になっています。そしてもうひとつ、1月25日から申請の受け付けを開始したのが「復興支援・住宅エコポイント」。というわけで、今回は、「エコ」にまつわる制度復活の話題をご紹介します。

エコカー補助金、軽自動車は2万円アップ

 エコカー補助金は、燃費が良いなど、環境性能に優れた車を購入した場合に受け取れる補助金です。対象となるエコカーは、2015年度の燃費基準をクリアした車か、2010年度の燃費基準を25%以上超過してクリアした車などになります。以前実施されたエコカー補助金は、普通車で10万円、軽自動車だと5万円でしたが、今回復活するエコカー補助金では、普通車は以前と同じ金額。軽自動車は2万円アップして7万円になります。

 また、補助金の対象は乗用車だけではなく、トラックやバスなどでも、エコ基準を満たしていればOK。ただし、以前は13年以上が経過した車を廃車にしてエコカーに乗り換えた場合、普通車で25万円、軽自動車で12万5000円の補助金がもらえる制度がありましたが、復活するエコカー補助金には、買い替えの制度は盛り込まれていません。

「対象車であるか」と「納車時期」の確認が重要

 エコカー補助金の対象となる新車登録期間は、2011年12月20日から2013年1月31日まで。すでに、昨年12月20日以降に新車登録している場合は、第4次補正予算が成立したのち、申請手続きを行うことになります。申請の受け付け期限は、2013年2月28日です。

 現金での購入だけでなく、ローンやクレジットを利用した分割購入、あるいはリース契約車でも補助金の対象となります。一方で注意点は、保有者(車検証に記載されている名義人)が1年以上乗る必要があること。1年未満で他人に車を譲渡した場合には、補助金を返還しなければならない条件になっているからです。

 対象となるエコカーの基準は、以前よりも厳しくなるといわれています。そんななか、エコカー人気で納車まで半年以上かかる車も出てきています。補助金を受けたい方は、自分が購入する予定の車が対象車になるのかと同時に、どのくらいの日数(あるいは月数)で納車されるかを、必ず確認しましょう。

車を廃車にしたら、税金の還付がないか要チェック!

 エコカーを購入するにあたり、現在乗っている車を廃車にする方もいるはずです。廃車にする場合、自動車税や自動車重量税などが還付されるケースもあるので、必ず抹消登録の手続きを行いましょう。

 自動車税とは、毎年4月1日の所有者に、「年払い」で課せられる税金です。車のタイプや使用目的、排気量などによって税額が異なります。たとえば、排気量1リットルの自家用車は年額で2万9500円、1.5リットルでは3万4500円、2リットルでは3万9500円になっています。

 年払いで支払った自動車税については、年度の途中で廃車にした場合、経過月数に応じて還付が受けられます。たとえば、1.5リットルの車を、3か月が経過した時点で廃車にすると、9か月分の税金が戻ります。その計算式は、3万4500円÷12か月×9か月=2万5875円となり、自動車税の還付の際、100円未満は切り捨てになるため、実際には2万8500円が還付されます。

 また、車検までに1か月以上残っている場合も、自動車税と同じように、経過月数に応じて自動車重量税の還付が受けられます。たとえば、1.5リットルの車の自動車重量税は5万400円。車検の期間が2年間で、次回の車検まで半年(6か月)残っていれば、5万400円÷24か月×6か月=1万2600円が還付されます。

 還付金を受け取るには、全国各地の運輸支局(陸運局)や自動車検査登録事務所などで、車の抹消登録を行う必要があります。新車に気を取られて抹消登録が遅くなると、還付金額も減ってしまいます。車を廃車にする際は、自動車税や自動車重量税の残存月数のチェックも、忘れないようにしてください。

被災地でのエコ住宅建築に30万エコポイント

 ここからは復興支援・住宅エコポイントをご紹介します。復興支援・住宅エコポイントとは、省エネ性能の高い住宅を取得したり、エコ(断熱改修など)を目的としたリフォームを行った場合に、エコポイントが付与される仕組み。以前の住宅エコポイントは、エコ住宅の新築で一律30万エコポイントがもらえましたが、復活する制度では、被災地での新築と被災地以外の新築で、ポイント数に差が設けられました。被災地でのエコ住宅新築では、30万エコポイントが付与され、被災地以外では15万エコポイントになります。

 エコリフォームの場合、窓、あるいは外壁、屋根、天井、床などの断熱改修と合わせて、バリアフリー改修や耐震改修などを行った場合が、エコポイント付与の条件になります。それぞれの工事で得られるエコポイントを足した上限が、30万エコポイントになっています。取得したエコポイントは、前回のエコポイント同様、追加工事の費用に充てられるほか、被災地の特産品やエコ商品に交換したり、復興や環境保護のための寄附などに充てられます。

 対象になるのは、エコ住宅の新築で昨年の10月21日以降に着工した工事、エコリフォームでは昨年の11月21日以降に着手した工事です。いずれも申請の期限は、今年の10月31日までになっています。
【私のつぶやき】
 エコカー補助金に復興支援・住宅エコポイントと、過去にあった制度の復活が予定されています。車の買い替えや住宅の建て替えなどを控えている方には、気になる制度といえるでしょう。
 自動車税の還付については、前回、車を買い替えた際、私自身も抹消登録の手続きを忘れていました。自動車重量税は、車検が切れるのを機に車を買い替える方が多いので、還付されないケースもあると思いますが、自動車税の還付手続きは忘れずに行うべきですね。

プロフィール
畠中 雅子  (はたなか・まさこ)
 日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP。新聞・雑誌などに連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などをおこなう。2男1女。「子どもにかけるお金を考える会」「高齢期のお金を考える会」を主宰。
2012年2月2日  読売新聞)

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です