鳥居ユキ 100回目コレクション
「着たい服」羽ばたかせ50年
19歳でデビューしてから半世紀。ファッションデザイナーの鳥居ユキさんが先月、100回目のコレクションを東京都内で披露した。
マリンルックをテーマにした横じまのブラウスやスカート、そしてトレードマークの花柄をあしらったドレス……。若々しい雰囲気の春夏物67点をショー形式で見せた。
1962年、デザイナーだった母・君子さんが開いたショーで新作を初めて発表した。ハイネックのニットやチェックのミニスカートなど、5点だけだったが、当時の流行を巧みに先取りして評判となった。以来、東京では毎年2回、パリでも75〜2008年の33年間、ショーを開き続けてきた。
10代の時から、東京・六本木の書店で欧米のモード雑誌を読みあさり、日本にはない鮮やかな色彩のおしゃれなドレスにあこがれた。「こんな服を着てみたい。でも、店には売っていない。その繰り返し。だったら自分で作っちゃえって思ったんです」
旅行やアート、過去の流行などから創作のヒントを得るデザイナーは多いが、鳥居さんはその対極だ。「何かにヒントを得てデザインすることはありません。自分が着たいと思う服を作ってきただけ。50年間、それだけは変わっていない」
もっとも、女性を取り巻くファッションの位置付けは半世紀の間で大きく変わった。「デザインを始めた頃は年相応の装いが求められ、女性たちもそうしなくてはと思っていた。でも、今は中高年がミニスカートやショートパンツを堂々と楽しめる時代です」
そうした時代の変化に寄り添いながら、年齢を超えた「おしゃれな服」をこれからも作り続けたいと思っている。(生活情報部 塚原真美)
→動画でショーの様子が見られます
→2012春夏コレクション「ユキトリイ・インターナショナル」写真特集へ
→コレクション@小町「祝・100回目のショー」
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