記者が選ぶ
著者は元国税調査官。約10年間、企業の決算書を精査してきた経験から「ほとんどの決算書には
舞台は東京の下町・浅草の昭和の香り漂う喫茶店「カサブランカ」。切り盛りするのは、面倒見のいい富子さんと寡黙な士郎さんの夫婦。香ばしいコーヒーとトーストにゆで卵も付いたモーニングを出すこの店の常連は、浅草芸者の澄江さん、すき焼き屋を営む元役者の文造さん、医学生のヒカル君、吉原の謎のソープ嬢、といった面々だ。 (2月29日)[全文へ]
「スイングがなければ意味はない」と言ったのは、ジャズの巨匠デューク・エリントンだ。スイングは音楽を前進させる原動力。それはクラシック音楽も同じ。あらゆるビートを駆使したベートーベンなんて、まさにその典型だ。そのスイングをキーワードに西洋音楽の本質に迫った。 (2月29日)[全文へ]
金融・財政危機、アフガニスタン、イラクの二つの戦争で米国一極時代は終わった――そんな米国衰退論を耳にしながら、過去3年余、ワシントンに駐在して感じたのは逆に、10年にわたりほぼ十数万人の兵力を常時派遣、通常の国民生活を維持しつつ、二つの戦争を遂行し得たアメリカの「底力」だった。 (2月22日)[全文へ]
佐藤優、田中森一、堀江貴文、山本譲司、辻元清美……。転落したエリートたちの告白手記は、ついつい書店で手に取ってしまう。順風満帆の人生に突然襲いかかる暗雲、過酷な獄中生活、そして地獄を見た後、どう再スタートを切るかを、追体験しつつ読んでいる。 (2月22日)[全文へ]
著者は、ゴキブリが主人公だったり、高座の座布団にプロレス技をかけたりする破天荒な芸風で知られる新作落語家。初めての小説となる今作はさえない貧乏落語家の青春物語で、昨年暮れに亡くなった森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981年)をほうふつとさせる。 (2月1日)[全文へ]
岡本喜八監督の代表作「独立愚連隊」を「インディアンの大虐殺」と解釈し、「好戦映画」扱いした批評に対するエッセーがある。「戦争という奴は敵も味方も虫ケラの如く死ンで行くもの、としか思えなかっただけだ」。マジメなフマジメが理解されなかったことへのマジメな怒りの表明だ。 (1月25日)[全文へ]
「どこの局もおんなじ」「通販だらけ」。テレビ番組はなぜ、つまらなくなったのか。元キー局役員の著者は、局の経営弱体化が理由だと指摘、解決策として、合併・吸収による「民放3NHK1」の4大ネットワークへの転換を訴える。 (1月25日)[全文へ]
最も身近な、あるいはそんな風に気軽には言いにくいほど複雑な関係にあった国の近代美術がいかなる流れをたどったか、しっかり伝える本が邦訳された。 (11月30日)[全文へ]
この本で言う本屋とは書店のことではない。 (11月23日)[全文へ]
- 『決算書の9割は嘘である』 大村大次郎著 (3月7日)
- 『魔法飛行』 川上未映子著 (3月7日)
- 『モーニングサービス』 三田完著 (2月29日)
- 『西洋音楽論』 森本恭正著 (2月29日)
- 『アメリカはカムバックする!』 斎藤彰著 (2月22日)
- 『転落の記』 本間龍著 (2月22日)
- 『銀幕の銀座』 川本三郎著 (2月15日)
- 『火の神話学』 大塚信一著 (2月15日)
- 『北緯43度の雪』 河野啓著 (2月8日)
- 『孫文』 舛添要一著 (2月8日)
- 『ギンギラ★落語ボーイ』 三遊亭白鳥著 (2月1日)
- 『名言手帳』 竹内政明著 (2月1日)
- 『マジメとフマジメの間』 岡本喜八著 (1月25日)
- 『テレビ局削減論』 石光勝著 (1月25日)
- 『韓国近代美術の百年』 金英那著 (11月30日)
- 『みんなの寺のつくり方』 天野和公著 (11月30日)
- 『伝説の「どりこの」』 宮島英紀著 (11月23日)
- 『「本屋」は死なない』 石橋毅史著 (11月23日)
- 『井上ひさしの読書眼鏡』 井上ひさし著 (11月16日)
- 『甦る相米慎二』 木村建哉、中村秀之、藤井仁子編 (11月16日)
- 『計画と無計画のあいだ』 三島邦弘著 (11月9日)
- 『政治家はなぜ「粛々」を好むのか』 円満字二郎著 (11月9日)
- 『平塚らいてう』 奥村直史著 (11月2日)
- 『<時>をつなぐ言葉』 牧野陽子著 (11月2日)
- 『昭和の読書』 荒川洋治著 (10月26日)
- 『流転の子―最後の皇女・愛新覚羅こ生』 本岡典子著 (10月26日)
- 『ジブリの哲学―変わるものと変わらないもの―』 鈴木敏夫著 (10月19日)
- 『平安文学でわかる恋の法則』 高木和子著 (10月19日)
- 『五十鈴川の鴨』 竹西寛子著 (10月5日)
- 『あなたは誰? 私はここにいる』姜尚中著 (10月5日)
- 『ゴダールと女たち』 四方田犬彦著 (9月28日)
- 『釜石ラグビー栄光の日々』 上岡伸雄著 (9月28日)
- 『彼らが写真を手にした切実さを』 大竹昭子著 (9月21日)
- 『美を伝える』 京都国立博物館編 (9月21日)
- 『密閉国家に生きる』 バーバラ・デミック著 (9月7日)
- 『ロボットが日本を救う』 岸宣仁著 (9月7日)
- 『ねじまき少女』 パオロ・バチガルピ著 (8月31日)
- 『大震災 欲と仁義』 荻野アンナとゲリラ隊著 (8月31日)
- 『逸見小学校』 庄野潤三著 (8月24日)
- 『わが外交人生』 丹波實著 (8月24日)
- 『昭和二十年夏、子供たちが見た日本』 梯久美子著 (8月17日)
- 『ほんとに彼らが日本を滅ぼす』 佐々淳行著 (8月17日)
- 『チヨ子』 宮部みゆき著 (8月3日)
- 『デカルコマニア』 長野まゆみ著 (8月3日)
- 『原発安全革命』 古川和男著 (7月27日)
- 『大泥棒』 清永賢二著 (7月27日)
- 『日々のあれこれ 目白雑録4』 金井美恵子著 (7月20日)
- 『草平君の選んだ学校』 佐々木征夫著 (7月20日)
- 『江戸に学ぶエコ生活術』 アズビー・ブラウン著 (7月13日)
- 『少年殺人者考』 井口時男著 (7月13日)