(40)「謝る」3歳では分からない
「ごめんなさい」がきちんと言えません。(3歳男子の母)
お友だちをたたいて泣かせた。物を壊した。食べ物をこぼした。その都度、「ごめんなさいでしょ」と繰り返しているのに……。先々が心配だし、いらいらもしますね。
そんな親心に理解を示しつつ、「焦ることはないですよ」と言うのは、目白大学の小野寺敦子教授(発達心理学)。個人差はあるものの、3歳はまだ、意味を分かって「ごめんなさい」を言える年齢ではないというのです。
謝る気持ちのもとになるのは、友だちが泣くのは自分にたたかれて痛いからとか、物を壊して周囲に迷惑をかけたとか、他人の気持ちや状況をくみ取れる能力。それが身につくのは、一般的には4歳頃だそうです。
とはいえ、言い続けることは大切だとか。その際、叱る→怒るの感情的な物言いではなく、きちんと状況を説明し、こういう時に謝るんだよ、と柔らかく伝えましょう。
ふだんの親のたたずまいも重要です。3歳頃は、親の姿をまねたがる時期。何か失敗したら、子どもの前で素直に「ごめんなさい」と頭を下げると、理解が進みやすいはずです。
子育ては長い旅。せかず焦らず。(松本美奈)
(2012年2月10日 読売新聞)
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