朝の排便習慣、入学前から
早寝早起き、朝ごはんで効果
小学校入学まであと2か月。準備の一つとして、毎朝の排便習慣をきちんとつけさせておきたいと考える保護者も多いだろう。
今からトレーニングを始めておけば、新しい環境への不安を減らせるだけでなく、生活全般の見直しにもつながる。
この春小学1年生となる保育園児の次男(6)がいる京都市の女性(41)は、次男の排便が2日に1度しかないことが気になっている。園内で便意を催した際には、保育士にトイレへ連れて行ってもらっていたが、「もし学校で同じことになった時、息子1人で対応できるのか」と気をもむ。「『朝、すっきり』が理想だと思うけれど、どうすればいいのか」と悩む。
学校ではトイレを我慢してしまう小学生も多い。TOTOが小学生988人に「学校のトイレでうんちをしますか」と聞いたところ、「絶対しない」「できるだけしない」が合わせて367人もいた。
親としては心配。トイレで困らないよう、登校前にすっきりさせる習慣をつけさせておきたいところだ。しかし、医学博士で早稲田大教授(子どもの健康福祉学)の前橋明さんが、全国の保育所の5、6歳児約2万4000人に行った生活調査では、毎朝排便しているのは3割にとどまっていた。
「食事量の不足や食事の内容の悪さ、朝のゆとりの時間の少なさから生じているようですが、毎朝トイレに行く習慣がないと、体調がすっきりせず、活動力が低下してしまいます」と前橋さんはいう。
前橋さんの調査では、朝に排便があった時とない時で両手の握力を比較すると、済ませていた日のほうが高い数値が出たという。「学校で子どもが十分に力を発揮するには、朝の習慣が重要です」
では、どうすれば、朝、排便を済ませる習慣をつけさせられるのだろうか。まずは朝ごはんをちゃんと食べること。
排便は、朝、空っぽの胃の中に食べ物が入ることで、消化吸収された残りかすを押し出そうと腸が運動を始めることで促される。メニューにもひと工夫が必要だ。
前橋さんは「朝食が菓子パンのような食べ物だけだと、栄養吸収後に十分な重さと体積のある残りかすにはなりません。主食のほか、食物繊維の多い野菜や、みそ汁、スープといった汁気の多い食べ物が必要です」と助言する。
朝食のあと、30分はしないと排便に至らないことが多いので、登校まで余裕を持って朝食をとりたい。
そのためには早寝早起き。運動、睡眠など規則正しい生活習慣=表=を身につけることが、規則正しい排便習慣につながる。
前橋さんは「まずは朝、トイレに座る練習を積み重ねてみてください。十分な睡眠や運動を心がけながら、トイレに行くことが習慣となれば、万全の態勢で一日のスタートが切れるはずです」と話している。
排便習慣をつけさせるためのチェックポイント
〈1〉日中に十分な運動をさせる
〈2〉夕食は決まった時間に。夜食は避ける
〈3〉午後9時には布団へ。睡眠時間は10時間ほどが望ましい
〈4〉朝食から登園、登校時間までに30分以上のゆとりを確保する
〈5〉食事には、魚や野菜、汁物、海藻、大豆などをバランスよく
(前橋さんの話を基に作成)
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