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「HV技術 レースで証明」 トヨタWEC参戦

「ディーゼル全盛」に挑戦

今季からWECに参戦するトヨタのHVと中嶋一貴(左端)ら正ドライバー(仏・ポール・リカールサーキットで)=近藤雄二撮影

 トヨタ自動車が今季の世界耐久選手権(WEC)に、世界初のハイブリッド車(HV)で参戦する。エコカー市場を先導してきたトヨタの総力をかけた戦いだ。

 南仏マルセイユ近郊のサーキットで、1月24日に新型車両を披露した木下美明チーム代表が力を込めて言った。「これは全社的な戦い。トヨタのHV技術をレースの舞台で証明したい」

 トヨタはHVでの耐久レース参戦を2006年から進めてきた。ドイツ・ケルンを本拠地とするモータースポーツチームは、09年のF1世界選手権撤退により、約800人から約200人に縮小。昨年は東日本大震災の影響で、決まりかけていた耐久レース参戦も延期となった。

 しかし、風向きは変わった。F1時代はモータースポーツ部門だけの戦いだったが、今回は本社のHV部門とも協力。開発した技術の一部は市販車にも生かされている。ブレーキ時に得たエネルギーを加速に利用するHVは、自動車の未来につながるという。

 現在の耐久レースは、昨年のルマン24時間王者・アウディも使うディーゼルが主流。木下代表は「排気を無視して燃費はいいというのはどうか。市販車が困る領域を飛ばすべきでない」と、HVでの挑戦の意義を力説する。

 トヨタが育てた正ドライバーの中嶋一貴は「特別な意味のあるプロジェクトに参加できて光栄。ベストを尽くす」と意気込む。欧州市場も見据えた野心的挑戦は、5月のWEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)から始まる。

 (マルセイユで、近藤雄二)

2012年2月2日  読売新聞)
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