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平尾昌晃「瀬戸の花嫁」「よこはま・たそがれ」…

自作ヒット 明るくカバー

「うまいからCDを買うわけじゃない。楽しいとか心地よいから買ってもらえるんだと思う」。曲作りにもそんな思いで取り組んできた=和田康司撮影

 作曲家、歌手の平尾昌晃が自作曲を歌ったアルバム「メロディー」(クラウン)を出した。小柳ルミ子が歌った「瀬戸の花嫁」、中条きよしの「うそ」、五木ひろしの「よこはま・たそがれ」など時代を代表するヒット曲の数々が収録されている。(桜井学)

 レコード会社側からの提案を受け、自身の思い出深い曲を選んだ。「もともと僕、歌手ですから、自分だったらこう歌いたいな、と思って(曲を)作っているんです」。「瀬戸――」は独特の節回しが生きているし、「よこはま――」もしゃれた雰囲気に仕上がっている。オリジナルとは少し異なる雰囲気が楽しい。

 哀感をたたえた曲も、どこかに明るさがある。「のんびり育ったせいか、あんまりくよくよしてないんですよ。センチメンタルにはなっても、あんまり暗くならないですね」という。

 1958年に歌手としてレコード・デビュー。山下敬二郎、ミッキー・カーチスとともにロカビリーブームを担った。自作曲では「ミヨちゃん」をヒットさせている。病気療養中だった66年に布施明が、平尾のシングル曲「おもいで」をカバーし、ヒットさせた。それがきっかけとなって作曲家としての仕事が増えた。当時は、歌いたい気持ちが強かっただけに心境は複雑だったという。

 作曲家として次々ヒットを飛ばしたが、「音楽の教養がないんですよ。趣味でこの世界に入っちゃったんで」と笑う。ロックに、歌謡曲、演歌と何でもやってきた。「欲張りだから、子供のころから、ありとあらゆる音楽を聴きかじった。かっこいいな、と思うと、自分でもやってみたいなと思うんですよ」

 多彩な仕事の一つがテレビ番組で使われる音楽だ。本作にも、時代劇「必殺シリーズ」の楽曲やアニメ「銀河鉄道999」の主題歌などが収録されている。また平尾と畑中葉子のデュエットで78年にヒットした「カナダからの手紙」は、「平尾昌晃ミュージックスクール」福岡校出身のタレント、スザンヌと歌った。

 4月には竹内まりやが作詞し、木の実ナナとデュエットした「恋ふたたび」を出すなど旺盛な活動が続く。今月21日放送のNHK「歌謡コンサート」にも出演する予定だ。「自分は音を楽しんできた。だから、皆さんにも歌を楽しんでほしい。お客さんと一緒に歌うコンサートをやりたい」

2012年2月9日  読売新聞)

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