スマホに最適化された「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力」

　Ａｎｄｒｏｉｄ（アンドロイド）の開発元であるグーグルから、スマートフォンに最適化された日本語入力システムの「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力」がリリースされた。ベータ版ながら軽快に動作し、独自の変換機能ですばやく文字入力ができる。（小野均）

ポイント

インストールと初期設定

インストール後、利用統計の送信を許可するか否かを決める。利用統計は、今後の開発に反映される

「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力Ｂｅｔａ」を有効にする

キーボードの種類など、文字入力に関する初期設定を行う

「ケータイ配列」キーボードによるフリック入力の例。フリックする文字のガイドが実際のキーとは別の場所に表示されるため、指先で隠れることがない

「ＱＷＥＲＴＹ」キーボードによる入力例

「ＱＷＥＲＴＹ」キーから数字キーを表示しての入力例

記号や顔文字、絵文字もすばやく入力できる

地名の入力例。キーボード右上の「↑」をタップするとキーボードを一時的に非表示にできる。再度タップで元に戻る

　「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力」は、アンドロイド・マーケットから無料でダウンロードできる。ダウンロードが完了したら、ダウンロードページで「開く」をタップ。利用統計の送信を許可する場合には「利用統計を送信」にチェックを入れて「次へ」をタップする。

　「モバイル利用規約」「プライバシーポリシー」をよく読み、利用規約を送信したくないときはチェックを入れずに画面を進めよう。送信しなくても、機能が制限されることなく利用可能だ。

　「インスト－ル後の設定」画面が表示されるので「次へ」をタップ。設定画面が開くので、「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力Ｂｅｔａ」をタップしてチェックを入れる。このとき注意書きが表示されるので、ここでも「ＯＫ」をタップする。

　続けて設定画面が開くので、文字入力の基本動作を設定しよう。まずはキーボードの選択だ。「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力」には、携帯電話のキーと共通の「ケータイ配列」と、パソコンのキーボードと共通の「ＱＷＥＲＴＹ」の２種類がある。使いたいキーボードを選択しよう。

　また「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力」は、スマートフォン本体を縦にして使うときと横にして使うときで、異なるキーボードの種類を選べるようになっている。「横画面での入力の設定」で「入力の設定」をタップすると、横にして使うときのキーボードを選べる。

　さらに、普段は「ケータイ配列」を使うようにしておき、英字を入力するときだけ「ＱＷＥＲＴＹ」に自動で切り替えるようにも設定できる。この使い方をするときは、「英字入力はＱＷＥＲＴＹ」にチェックを入れる。

　その他の設定項目は、自分の使い勝手に合わせて見直しておこう。なお、この設定画面は「設定」の「言語と文字入力」からいつでも開ける。実際に使いながら、自分に適した設定を見つけていけばいいだろう。

　文字の入力方法は、一般的なスマートフォン用キーボードと共通だ。

　「ケータイ配列」なら、携帯電話と同じようにキーを連続してタップして入力文字を選ぶ。また、キーを押したままにし、上下左右にフリック（指先を軽く振る操作）することで文字を選ぶ方法も使える。ひらがな、英数字の入力文字種の切り替えは、左下隅のキーをタップする。

　「ＱＷＥＲＴＹ」は、パソコンのキーボードと同じなので迷うことはないだろう。左下のキーをタップしてひらがなと英字を切り替えるが、「ＱＷＥＲＴＹ」の場合は数字の入力切り替えが独立している。

　「１２３時※」と表示されたキーをタップすると数字キーに切り替わり、数字や記号のほか、「時」「分」「月」「日」などの文字もここから入力できる。日付や時刻を入力するときに便利だ。また、数字キーの状態で「ＡＬＴ」キーを押すと、文字入力でよく使う記号をすばやく入力できる。

　「ケータイ配列」「ＱＷＥＲＴＹ」ともに、「記号」キーをタップすると記号、顔文字、絵文字専用のキーボードに切り替わる。キーボード下部で記号、顔文字、絵文字を切り替え、分類ボタンをタップして入力したい記号や絵文字などを選択すればいい。

　「Ｇｏｏｇｌｅ日本語入力」の大きな特徴は、変換語句の豊富さにある。特に日付や数字の入力は独特だ。

　例えば、「きのう」「きょう」「あした」などと入力すると、日付が変換候補に表示される。また「いま」で現在の時刻、「ことし」で今年の西暦、和暦の年が候補に表示されるなど、使い方を覚えておくと入力が速くなる。

　また、数字を入力した後に、入力数字と組み合わせて「月」「日」「時間」「円」「歳」「番」など、ユーザーがよく入力する文字を先回りして候補に表示するのも特徴だ。

　地名の入力も一部を入力することでその後に続く文字を先回りして候補に表示する。例えば「あかさか」と入力すると、「赤坂駅」「赤坂見附」「赤坂サカス」などが変換候補に一覧表示される。

　そのほか、人名の候補も豊富であり、カタカナ語から英単語に変換することも可能だ。こうした変換辞書はとてもよく考えられており、より少ない文字の入力で変換できる。

　スマートフォンでの文字入力（変換）に不満を覚えていた方は特に、一度試してみるといい。

（2012年1月31日読売新聞）

プロフィール
小野　均（おの・ひとし）テクニカルライター。インターネットや新聞、パソコン雑誌などでパソコンやソフト、周辺機器の操作方法を解説。ヨミウリ・オンラインで「超モバイル活用」「若葉マークのデジタル塾」を連載中。