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バリ爆弾テロ 日本も対応策を強化しなければ
Govt must bolster antiterrorism measures

 インドネシア当局が爆弾テロの関連情報を事前に入手し、警戒を強めていた中で起きたバリ島同時爆破事件は、無差別テロの怖さをあらためて世界中に知らしめました。今回も2000年の爆破テロを同じで警備の手薄なソフトターゲットである民間施設を標的にした卑劣な行為です。外国人観光客を狙ったであろう自爆テロの被害者の過半数は皮肉にも「同胞」のインドネシア人でした。観光事業に依存するバリ島経済への影響は計り知れないほどです。まさに、得るものが何もない「愚劣な行為」と言えるでしょう。当局の調査が進む中、東南アジアのテロ組織ジェマア・イスラミアの関与が濃厚になっています。

 10月3日付社説は、国、地域を越えたテロ対策の必要性を説いています。日本政府に対しては、バリ島事件を教訓に対応策の強化に訴えています。

(1) As cruel an act as Saturday’s bombing attacks in Indonesia should never be allowed to be repeated.

Near-simultaneous suicide bomb attacks occurred in two tourist areas on the international resort island of Bali. The latest attacks followed a similar pattern to the one three years ago that killed 202 people, including two Japanese. Five Japanese were victimized by the latest attacks, one of them killed.

The latest terrorist attacks occurred despite the Indonesian government having taken the utmost caution after obtaining information hinting at such an attack beforehand. Such being the case, the shock was even greater for the administration of President Susilo Bambang Yudhoyono, which is being pressed to make a sweeping review of its antiterrorism measures.

(1)こんな卑劣な行為をこれ以上許してはなるまい。

 インドネシアの国際リゾート地バリ島で連続爆弾テロが起きた。標的となったのは外国人観光客でにぎわう繁華街だ。日本人2人を含む202人が犠牲になった3年前のテロと同じ手口だ。今回も日本人5人が巻き込まれ1人が死亡した。

 今回の爆弾テロは、関連情報を事前に入手したインドネシア政府が、厳戒態勢をとる中で起きた。それだけに衝撃は大きい。ユドヨノ政権は、テロ対策の全面的な見直しを迫られることになる。

こんな卑劣な行為をこれ以上許してはなるまい:as+形容詞+名詞+as+名詞の構文で主語を構成し、should never be allowed to be repeatedで受けました。「こんな卑劣な行為」は10月1日にインドネシアのバリ島で起きた同時爆弾テロを指しているのは明白です。したがって、2番目のas以下はSaturday’s bombing attacks in Indonesiaとすればよいでしょう。自爆テロであることから、suicide bombing attacksとしても結構です。「卑劣な」はcruel以外にbrutal、savage、mercilessなどが考えられます。ここでは語順に注意が必要です。asの後に形容詞(cruel)が来て、名詞(an act)となります。「これ以上許してはなるまい」は「繰り返されることを許してはならない」と意訳しました。

連続爆弾テロ:現地からの報道によると、午後7時40分ごろ最初の爆弾が海岸沿いのジンバラン地区にあるカフェで爆発し、1分後に同地区の違うカフェで2発目が爆発、その4分後、3番目の爆発が外国人観光客が多いクタ地区のレストラントで起こりました。この報道が正しければ5分以内に3度の爆発が発生したことになります。したがって、near-simultaneous suicide bomb attacks(ほぼ同時爆弾テロ)と訳すことが可能です。

標的となったのは・・・繁華街だ:この文章は、「連続爆弾テロ」がどこで起きたのかをin two tourist areas(ジンバラン地区とクタ地区)と表現すれば十分です。「繁華街」は直訳する必要はありません。

同じ手口だ:前段落をthe latest attacksで受けて主語とし、follow a similar pattern to…と続ける文章にすればよいでしょう。

関連情報を・・・とる中で起きた:「とる中で」は「インドネシア政府が厳戒態勢を取っていたにもかかわらず」と意訳して訳例のようになりました。

それだけに衝撃は大きい:「それだけに」は分詞構文(participial construction)のsuch being the caseで始め、the shock was even greater for…と比較級を強調する形で表現すればよいでしょう。

2005年10月7日  読売新聞)
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