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学び合い

学生補助員が先生役

 授業をスムーズに運営するには、教員の力だけでは足りない。

 「大学の実力」調査で、授業での学生補助員の活用状況を尋ねたところ、一部学部での取り組みも含めて80%が配置していた。目的は、資料配布など教員の補助が目立つが、学生の学習支援に主眼を置くところもある。

 愛知工業大学(愛知)の青木徹彦教授は、都市環境学科2年生70人の必修「構造力学3」で、約10年前から学生補助員を使った試験を続ける。全問正解まで再試験という厳しいルールの下、先に合格した学生を不合格学生の先生役にし、理解を促すやり方だ。

 7回目の試験に30人が臨んだ2月下旬の授業では、試験後、教室のあちこちで先生役を真ん中に学び合いの輪ができた。前回合格の学生(20)が「教える側に回ると、理解が深まる」と言えば、説明を受ける学生(20)も「先生に聞くよりわかりやすい」と笑う。回を重ねるごとに高得点の学生が増え、その後2回の追加試験で全員が合格した。

 「どの学生も必ず伸びる。肝心なのは仕掛け」と青木教授。学生補助員の使い方ひとつにも、教育意欲の高い低いがほの見える。(松本美奈)

2011年3月24日  読売新聞)
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