シンプルにとらえる…ソフィー・マルソーさん

　映画「ラ・ブーム」でデビューしたのは、１３歳の時。この作品がヒットしたために、いきなり有名になってしまいました。

　子どもながらに世の中のことを理解し、いろんな役柄を演じなくてはならなかったのは、本当に大変なことでした。

　２０代のころは、小さなことをあれこれ考えて、不安になったりしたものです。今は、物事をよりシンプルにとらえることができるようになり、とても楽になりました。年を取るのもよいものですね。

　経験を積むことで、一つひとつ鍵が増えていくような感じでしょうか。人生の全てのドアを開けられるようになるには、まだまだ時間がかかりそうですが。

　１６歳の息子と９歳の娘がいます。子どもと過ごす時は、素の自分に戻れます。子育てと仕事の両立は簡単ではありませんが、私にとって、どちらも人生に不可欠なもの。フランスの手厚い子育て支援と、家族や女性同士の助け合いのおかげで、なんとかやってきました。

　目標を持ったり、人のために考えたり――。美しく年を重ねるには、魂を磨くことです。画一的な美しさより、私らしい表情を「すてき」と感じてもらえたら、うれしいですね。（聞き手・飯田祐子、写真・池谷美帆）

ソフィー・マルソーさん

　女優。１９６６年、フランス生まれ。今年１月から、ディオールのスキンケア製品のイメージモデル。