「無理しない」で人生充実…牧瀬里穂さん

　３年前、結婚する時に、「この人が病気になっても、一緒にいられるだろうか」と考えました。「もしそうなったら、そばで支えていきたい。そして、私が病気になったときも、近くにいてほしい」。そう思えたことで、気持ちが固まりました。

　２０代の時だったら、情熱だけで突き進んでいたかもしれません。年齢を重ねて、お互いのことや将来のことを一歩立ち止まって考えるようになりました。

　もちろん、いつまでも一緒に元気で暮らしたいので、食生活にも気を配らないといけないのですが、夫は、子どもっぽい食べ物が好きなので、脂肪や糖分の取りすぎが心配です。なんとか野菜を食べてもらおうと、筑前煮を作ったりしています。

　１７歳でデビューして以来、ずっと仕事に追われ、走り続けてきました。休みをとり、リフレッシュして、また次の仕事に向かう、というリズムを作れるようになったのは、ここ数年のことです。オンもオフも、自分のペースを見つけて、無理せず頑張ることが、人生を充実させるこつなのではないでしょうか。

　そろそろ大人の女性にふさわしい作法を身に着けなくてはと思い、１年ほど前から茶道を習っています。先生の温かくも厳しい指導を受けると、気持ちが引き締まります。もともと着物が好きで、日本舞踊を習っていたこともあるのですが、学べば学ぶほど、日本文化の奥深さを感じますね。（聞き手・飯田祐子、写真・岩波友紀）

牧瀬里穂（まきせ・りほ）さん

　女優。１９７１年、福岡県生まれ。９日から、東京のル　テアトル銀座で舞台「８人の女たち」（来年１月に大阪、名古屋で上演）に出演。