米国育ちでも　日本好き…細貝　圭さん

　「海賊戦隊ゴーカイジャー」（テレビ朝日系）で、悪役のバスコ・タ・ジョロキアを演じています。物語も佳境に入ってきて、バスコがどうなるか、ハラハラドキドキの毎日です。

　「息子を米国で育てたい」という母の希望で、６歳から２３歳までの大半を米国で暮らしました。母は英語が出来ず、知人もいないなか、頑張って僕を育ててくれました。愚痴をこぼすこともなく、食卓にインスタント食品が並ぶこともなかった。すごく愛情を注いでくれたと思います。

　ところが、９歳で１年半帰国したら、日本の方が好きになってしまった。車社会の米国と違って、自分で歩いて遊びに行けるし、日本の方が自由に感じられたんです。

　それに、自分の好きなものが全部ありました。食べ物もテレビドラマも日本のものが好きで、野球は巨人ファン。祖父母と、わいわい言いながらプロ野球中継を見るのが楽しくてたまらなかった。

　だから、役者になろうと決めた時、米国でという選択肢は考えませんでした。家族はそばにいてほしいので、母も帰国して日本で暮らしています。

　でも、ないものねだりなんでしょうね。最近は時々米国が恋しくなるし、海外ドラマにはまっているんです。改めて、将来は海外でも活躍できる役者を目指したいと考えています。（聞き手・鈴木美潮、写真・武藤要）

細貝　圭（ほそがい・けい）さん

　俳優。１９８４年生まれ。写真集「Ａｖａｎｔｉ」（グライドメディア）が２０１２年１月２１日発売。２２日には東京・新宿で発売記念イベントも。