ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

蘇る記憶 車ある風景一覧

本文です

自動車産業 新興国が登場


日本初公開されたインド製超低価格車「ナノ」(2009年12月11日)

 インドのタタ・モーターズの「タタ・ナノ」が、2009年12月の福岡モーターショーで日本初公開された際の写真です。

 インドでの自動車普及を目指し、一般に普及しているバイクと安価な大衆車の中間価格の10万ルピー(当時のレートで約28万円)という驚愕(きょうがく)の廉価で発表され、08年1月の米デトロイト・モーターショーにも出品されました。

 当時インドで最も安い自動車は、スズキ自動車系・マルチ・スズキの「マルチ800」が20万ルピーでした。

 「タタ・ナノ」は、車両サイズが全長・全幅・全高=3100×1500×1600mm、エンジンは623cc直列2気筒、リアエンジン・リアドライブ、4人乗り。助手席のドアーミラーがなく、1本ワイパーなどコストダウンが徹底されています。

 車両の性格は違いますが、日本でも1979年、鈴木自動車が軽四輪ボンネットバン「アルト」を発売。商用車(4ナンバー)として登録することで物品税が安くなり、車両価格は当時の軽乗用車の半分近い47万円に設定されて、大きな話題となりました。

北京モーターショーで公開された中国製ハイブリッド車(2006年11月)

 右側の写真の車は中国「奇瑞汽車」の「A5」をハイブリッド車に改造したショーカーで、2006年の撮影です。「奇瑞」自動車は中国の自動車メーカーのビッグ5の1社で、自社ブランドメーカーとしては中国国内で最多の販売実績を持ちます。

 90年代以降、経済発展に伴って中国の自動車産業は急速に拡大。2009年には自動車生産台数世界一であった日本を抜きました。同年の中国国内の登録車数は6200万台でしたが、20年までに2億台を超えると予測されています。

 急激に発展している中国だけに、排出ガス、特にCO2削減は急務で、エコカーの開発、普及が望まれます。

2012年2月7日  読売新聞)
現在位置は
です