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『ありがとう、諏訪子さん―日本でいちばん長生きしたインドゾウの話』 深山さくら著

青柳孝信(あおやぎ・たかのぶ) ヨミウリ・ジュニアプレス記者 小5

多くの人々に愛された一生

 インドゾウの諏訪子は、戦後復興(ふっこう)期の1950年、タイから神戸(こうべ)市の諏訪山動物園にやって来ました。

 その後、先輩(せんぱい)のゾウ摩耶子(まやこ)や、太郎らと()らし、阪神(はんしん)大震災(だいしんさい)経験(けいけん)。3年前に国内のインドゾウで最高齢(さいこうれい)の65(さい)推定(すいてい))で()くなるまで、多くの人に愛された一生がつづられています。

 印象に残ったのは、51年、諏訪山動物園を閉園(へいえん)し、新しく開園した王子動物園まで、4キロを歩いて移動(いどう)する場面です。ゾウたちは路面電車の「ゴーッ!」という大きな音にびっくりして()げ出そうとしますが、けが人を出さずに無事、引っ()しを終えました。

 (ぼく)も今度、動物園に行ってインドゾウと出会い、諏訪子の(やさ)しさに思いをはせたり、アフリカゾウとの(ちが)いを(たし)かめたりしたいと思いました。(末崎茂樹(すえざきしげき)・絵、佼成出版社(こうせいしゅっぱんしゃ)、1500円)

2011年10月4日  読売新聞)

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