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『エリザベス女王のお針子〜裏切りの麗しきマント〜』 ケイト・ぺニントン作

高橋美桜(たかはし・みお) ヨミウリ・ジュニアプレス記者 高2

女王救おうと頑張る少女

 エリザベス1世が統治(とうち)する16世紀後半のイングランド。13(さい)のメアリーは、幼い(ころ)に母を失い、仕立て職人(しょくにん)として父が仕えるシドニー(きょう)(やかた)でお針子をしています。

 ()しゅうが得意な彼女(かのじょ)は父と、シドニー卿のおいローリーが女王に謁見(えっけん)するときに身に着けるマントを作ることになりました。しかしある夜、ひょんなことからエリザベス女王暗殺計画を耳にし、密談(みつだん)偶然(ぐうぜん)聞いてしまった父が殺される場面も目撃(もくげき)します。

 ローリーと館を(はな)れ、未知の世界に飛び()むメアリー。不安と悲しみの中でも、女王を救おうとする心の強さが印象的で、「そこまで頑張(がんば)らなくていいんだよ」と声を()けたくなりました。宗教の対立など当時のイングランド情勢(じょうせい)や流行のおしゃれも興味(きょうみ)深い物語です。(柳井薫(やないかおる)(やく)徳間(とくま)書店、1600円)

2011年11月8日  読売新聞)

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