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『セキタン!――ぶちかましてオンリー・ユー』 須藤靖貴著

石井 遥(いしい・はるか) ヨミウリ・ジュニアプレス記者 中2

相撲の道を突き進む少年


 「君が土俵入(どひょうい)りする場面が、見えちゃったんだよ」。行きつけの中華(ちゅうか)料理屋で見知らぬ(にい)ちゃんにそう言われたのは、相撲(すもう)に全く興味(きょうみ)がない中学3年の大関治(おおぜきおさむ)。父を病気で()くし、働く母に代わり家事を手伝っています。

 志望(しぼう)校が決まらず、母と弟に楽をさせたいとも思う治。成績優秀(ゆうしゅう)なクラスメートが騎手(きしゅ)を目ざし競馬(けいば)学校へ進むことに刺激(しげき)され、中学を卒業後、相撲部屋に入ります。

 早朝の稽古(けいこ)兄弟子(あにでし)(むね)に飛び込んでは転がされ、強くなるための方法を工夫する姿(すがた)や、おいしそうなちゃんこ(なべ)もリアルに(えが)かれています。「セキタン()いて」は「急いで」の意味ですが、主人公が関取(せきとり)昇進(しょうしん)したのは25(さい)(ゆめ)を実現するのは大変ですが、後悔(こうかい)しないよう、私も前に進みたいと思いました。(講談社(こうだんしゃ)、1400円)

2011年11月8日  読売新聞)

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