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『「リベンジする」とあいつは言った』 朝比奈蓉子・著

工藤菜緒子(くどうなおこ) ヨミウリ・ジュニア プレス記者 中2

友だちという大切な宝物

 小学6年の「ぼく」たちは昼休みにふざけていて、転入生の江本(えもと)君の眼鏡(めがね)()ったため、江本君は転んで足首を骨折(こっせつ)してしまいます。その上、先生にウソをつき、いたずらのことも(かく)してしまいました。

 江本君に(あやま)ろうと、「ぼく」だけお見舞(みま)いに行くと、「うまく先生をだましたつもりでも、引きさがるつもりはないからね」と江本君に言われました。その後、江本君に買い物や犬の散歩を(たの)まれるようになり、二人の距離(きょり)次第(しだい)(ちぢ)まっていきます。

 私が好きなのは、「一人のほうが気楽」だった江本君がクラスメートを(ゆる)し、「人は(にく)むより、友だちになったほうが、だんぜんいいってわかった」とみんなに話す最後の場面。友だちという宝物(たからもの)を一生大切にしたいと思わせてくれる物語です。(スカイエマ・絵、ポプラ社、1300円)

2012年2月7日  読売新聞)

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