『現代落語論』 立川談志著
落語家志す若者のバイブル
11月21日に亡くなった落語界の風雲児が29歳の時に著した処女作。
この本を読んで落語家を志した若者は数知れず、現在も落語界のバイブルとされる。訃報を受け、学生時代以来十数年ぶりに読み返してみた。
若手真打ちの目から見た当時の寄席の現状やネタの解説、演出論などが理詰めかつ
一方、自らが真打ちになるまでを回顧した章では、初高座で言葉が出なくなったという“告白”もあり、今の前座が読んだらきっと勇気づけられるはずだ。
最終章では「落語が『能』と同じ道をたどりそうなのは、たしかである」と未来に警鐘を鳴らした。だが、この本を読んで影響を受けた後輩たちの奮闘により、今のところその予言ははずれているようだ。35刷では著者が自ら書いたという筆書きの「オビ」がつけられている。(森)
(2011年12月14日 読売新聞)
- 『大名の日本地図』 中嶋繁雄著 (3月7日)
- 『巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる』 石井好子著 (2月29日)
- 『動物化するポストモダン』 東浩紀著 (2月22日)
- 『スローカーブを、もう一球』 山際淳司著 (2月15日)
- 『国語入試問題必勝法』 清水義範著 (2月8日)
- 『ブリューゲルへの旅』 中野孝次著 (2月1日)
- 『天平の甍』 井上靖著 (1月25日)
- 『わたしが・棄てた・女』 遠藤周作著 (1月18日)
- 『心に太陽を持て』 山本有三編著 (12月28日)
- 『O・ヘンリ短編集』 大久保康雄訳 (12月20日)
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