ニュース
市船魂劇的V
東京都新宿区の国立競技場で9日行われた全国高校サッカー選手権大会(読売新聞社など後援)の決勝で、四日市中央工(三重)を逆転で下し、5度目の全国制覇をなし遂げた市立船橋。
1点を追う後半ロスタイムの同点、そして延長戦の逆転という劇的な展開に、声をからして応援したスタンドの大応援団は、優勝が決まると涙を流し、仲間たちと抱き合って喜びを分かち合った。
試合は開始直後に動いた。右CKからのこぼれ球を押し込まれ、まさかの失点。その瞬間、スタンドからは「切り替えろ」「大丈夫だ」の声が飛んだ。サッカー部で3年間苦楽をともにした中山卓哉さん(3年)も「最後には絶対勝ってくれる」と気合を入れ直した。
後半は反撃に出た。右サイドバックの米塚も高い位置で動き回り、果敢に攻め上がってシュートを放った。担任の近藤義行教諭(43)は「努力家で、掃除中もほうきを持ちながらターンの練習をしていた」と、教え子の活躍に目を細めた。
そして、後半ロスタイム。大歓声を背に受け、「入る予感がした」という杉山がCKを蹴ると、混戦から和泉が押し込み、ついにゴールをこじ開けた。さらに延長後半5分、宇都宮のパスを受けた和泉が技ありのフェイントから右足を振り抜くと、ボールはゴールキーパーの手をはじいてゴールネットを突き刺し、ついに逆転。その6分後、歓喜の瞬間を迎えた。
追加点を許さなかった積田は「前半を終えて、気持ちを入れ替えようと声を出し合った。3年間積み重ねた成果が出てうれしい」と喜びを爆発させた。
朝岡隆蔵監督は「本当に夢のよう。私も含めて、選手たちの姿に胸を打たれた人は多いのでは」と真っ赤な目で語った。
(2012年1月10日 読売新聞)
|
|
|
- 1万7000人「おめでとう」…市船Vパレード (2012年1月13日)
- 市船魂劇的V (2012年1月10日)
- 「千葉に来て、良かった」決勝弾の主将・和泉 (2012年1月10日)
- けがの岩渕奮闘 (2012年1月10日)
- 5度目のVに王手…市立船橋、準備整う (2012年1月9日)
- 市立船橋、7年ぶり決勝…大分の追撃かわす (2012年1月8日)
- 岩渕、有言実行ヘディング弾…市船7年ぶり国立へ (2012年1月6日)
- 市立船橋、清水商に初勝利 (2012年1月4日)
- 和泉が終盤2得点、市立船橋逆転勝ち (2012年1月3日)
- 市船3年ぶりV…延長戦、流経柏の連覇阻む (2011年11月27日)