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キレイを磨く

安眠のための3つのリラックスポイント

秋は最も快適に眠れる季節

日本スパ協会認定セラピストの上原文香さん

 以前、8月19日付けの「質のよい眠りで美しくなる」で睡眠の質と美容の関係についてご紹介したところ、たくさん反響をいただきました。眠りが浅い人、寝つきが悪い人、朝の目覚めがよくない人など、睡眠について何らかの悩みを抱えている人がこれほど多いとはちょっと驚きです。

 さて、季節は秋。スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋……。いろいろありますが、四季の中で最も快適に眠れる季節が秋だといわれています。気温や湿度の点でも比較的穏やかで安定しており、からだのリズムも自然と深い眠りにつけるようになってきます。暑い夏、睡眠が十分に取れていなかったという人にとっては、乱れた睡眠習慣を改善するチャンスでもあるのです。

 今回は、日本スパ協会認定セラピストの上原文香さんに、「安眠のための3つのリラックスポイント」を提案していただきました。

 上原さんは沖縄出身。介護福祉士の仕事をしながら、鍼灸・あんまマッサージ師の資格を取得。全国でホテル・スパを中心に展開する株式会社アルファースリーで技術指導を行う一方、先日は、日本野菜ソムリエ協会とのコラボレーションで、「安眠セミナー」を開いています。

手作りのルームフレグランスで脳をリラックス

 睡眠習慣を改善する基本は、とてもシンプル。「本来休むべき時にきちんと休むこと。身体的にも精神的にも、リラックスすることです」と、上原さん。

 リラックスするとは、自律神経を整えることでもあります。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があって、この2つが交互に優位性を発揮しながら、1日のリズムを刻んでいきます。交感神経は、「昼間の神経」ともいわれ、日中の活動期に優位になります。一方の副交感神経は、「夜の神経」とか「休息の神経」といわれ、日が暮れた後に優位になります。

 副交感神経が優位になると、瞳孔が収縮して脈拍がゆっくりになり、血圧が下がって、人は眠りにつきやすくなります。悩み事やストレスなどで交感神経の緊張状態が続いていては眠れなくなりますし、副交感神経がずっと支配的だと自律神経のバランスが崩れてやる気がなくなったりします。

 つまり、交感神経と副交感神経をいかに上手にスイッチしていくかが大切なのです。

アロマ、音、マッサージでリラックス

足裏を刺激することで血流を促します
足ツボを押すときには、手はこんなカタチで

 まずは、アロマの香りで脳からリラックスさせていきましょう。五感の中でも、嗅覚は特殊な感覚といわれています。鼻から入った香りの分子は、鼻腔から脳の一部、食欲や性欲など本能的な活動を司る大脳辺縁系に伝達されます。このように、脳に直接伝わるのは、嗅覚だけ。ですから、「リラックスすることを考えるとき、嗅覚に注目することはとても重要なポイントです」(上原さん)。

 ルームフレグランスを手作りして、部屋を心地よい香りでいっぱいにし、眠る環境を整えます。

 用意するのは、スプレーボトル(50ml)、無水エタノール(5ml)、精製水(45ml)、好みのエッセンシャルオイル(10滴ほど)。ボトルに無水エタノール、精製水、エッセンシャルオイルを加えてよく振って混ぜます。

 エッセンシャルオイルは、リラックス効果の高いラベンダーやネロリ(ビターオレンジの花から抽出)、気分を上げる効果抜群のオレンジなどがおすすめ。ほかにも、カモミール、ジャスミン、ベルガモットなどが、安眠系オイルと呼ばれているので、いろいろブレンドして試してみると楽しいです。

 使用する際には、よく振ってからスプレーすること。オイルは酸化しやすいので、早めに使い切ることにも気をつけて。

 「呼吸法にも注意しましょう。丹田に力を入れて、鼻から5秒吸い込み、口から10秒ではく。ゆっくりした腹式呼吸を寝る前の習慣にしてみてください」と、上原さん。

 次に、聴覚からのリラックスについて考えてみましょう。

 音でリラックスするための6要素を挙げると、1)音量の変化がない2)音程の変化が少ない3)突然の切れ目や突然出てくる音がない4)リズムの変化が少ない5)変化がゆっくりである6)適度な低音がある、となります。

 「人間は、母体の中で聴いていた心音が低音だったから低音で落ち着くといわれています。たとえば、オルゴール音は低音要素がないので聴いているうちに疲れてきます。もちろん、育った環境など個人差も大きいですが……」(上原さん)

 天ぷらを揚げる音を川のせせらぎですといって聴かせると、リラックス効果が上がった例も。聴覚から入る情報を頭の中でいかによいイメージに置き換えてリラックスするかということなのだろうか。

 最後に、からだへのアプローチを考えてみましょう。

 眠りにつく前には、体温を高めにすることが重要です。ストレッチやヨガのような軽い運動やゆるめの湯にゆっくり浸かること、それから、足ツボマッサージも効果的。末端を温めることによって副交感神経を優位にします。

 足の裏は、一番抹消にあり、血液が滞りやすくなっています。すると、老廃物がたまってむくみなどの不調が現れ、心臓やその他の臓器に負担がかかるなど、からだに様々な歪が出てくるのです。足裏を刺激することによって血流を促し、老廃物を対外に排出するからだ本来の機能を取り戻していきます。

 では、セルフマッサージでは、どこを刺激すればいいのでしょう。

 上原さんのおすすめは、泌尿器、消化器、首、肩、安眠の5つのツボです(イラスト参照)。

 ツボを押す手は、グーのカタチにして人差し指をちょっと伸ばし、その上に親指を重ねます(写真)。人差し指のヤマになった関節部分にマッサージオイルを塗って、力を入れてごりごりと押します。眠りのツボは、手でこぶしを作ってがんがんたたきます。手加減せずに、かなり強く押していきます。心臓がある側の左足からほぐすのがいいそうです。

 アロマと静かな音楽に包まれて、マッサージをしながらボディケア。腹式呼吸でからだ全体を整えれば、リラックスしてベッドに向かえそう。時間もゆったり流れる秋の夜長、さあ、今日から実践です。

上原さんが指導する足ツボマッサージ店舗
http://imagejp.net/image-index.html

プロフィール


永峰好美(ながみね・よしみ)1979年読売新聞社入社。編集局生活情報部、解説部などで取材 にあたり、2005年5月より東京・銀座の百貨店、プランタン銀座取締役、2011年5月同常務取締役。記者時代はメイクも落とさずベッドに直行することが多く、お肌もボディもぼろぼろに。今は、貪欲に様々なビューティー情報にアンテナを張り巡らせています。「新おとな総研」では、銀座に関する話題をつづった「GINZA通信」を連載中。

2011年10月7日  読売新聞)

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