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2009-2010 秋冬コレクション

不況の風 古典回帰

ミラノ

 2009〜10年秋冬ミラノメンズコレクションが、17日から20日まで開かれた。

 海外通信社から配信されたショーの写真を東京で見ていると、挑発的なデザインはすっかり影を潜め、いつになくクラシックで実用的な装いが目立つ。

 「世界同時不況の沈うつな影響が、今季のコレクションの至る所で見られた」。ミラノ在住のファッションジャーナリストで、ショーを見た矢島みゆきさんはそう話す。

 矢島さんによると、アメリカはもちろん、ブランド市場の底上げに寄与してきた中国やロシアなどからのバイヤーが減少。「各ブランドは売り上げ重視の姿勢が鮮明になり、新奇さより無難さを服に求めるようになった」と話す。

 そうした状況下、デザイナーたちは、伝統に培われたクラシックなモチーフに注目したようだ。典型的だったのがニューヨークを拠点に活動するトム・ブラウン。初めてショーを開いたモンクレール・ガム・ブルーのデザインを手がけ、羽毛入りのテーラードスーツやトレンチコートを提案。機能性と美しさを兼ね備えた服に仕上げた。

 ドルチェ&ガッバーナは、デザイナーの出身地シチリアをテーマに、フォーマルな装いを披露。キルティングを施すなどしたジャケットで変化をつけた。コートやパンツ、靴などを鋲で飾ったプラダ、ゆったりと流麗なシルエットのパンツが印象的だったジョルジオ・アルマーニも、基本線はクラシック。ジル・サンダーは、腰回りを極端に絞ったテーラードのスーツやコートを見せた。

 デザイナーは、新しさを追い求めると同時にビジネスにも気を配らなくてはならない。経済的な制約の多い時代、デザイナーたちは、見た目の冒険を抑え、穏健な装いに手仕事の痕跡や個性をどれだけ盛り込めるかを競い合ったようだ。(生活情報部 斎藤圭史)

2009年1月30日  読売新聞)

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