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2011−12年秋冬コレクション

美男を楽しむ女

サルヴァトーレ・フェラガモ
モスキーノ
イヴ・サンローラン
ラルフ・ローレン

 まるでメンズコレクションのよう――。欧米各地で行われた2011〜12年秋冬コレクションの写真を見ながら、この秋の流行を探っていて、そんなことを思った。紳士服風の装いが実に目立つのだ。

ドルチェ&ガッバーナ
グッチ
シャネル
ジェイソン・ウー

 例えば、ミラノ勢。サルヴァトーレ・フェラガモはベルベットのタキシードを提案。ドルチェ&ガッバーナはジャケットから袖を取り、襟部分にきらびやかな刺しゅうを施した。モスキーノはバラの花柄のタキシードや(ちょう)ネクタイを提案。グレーのジャケットとワイドパンツを組み合わせたグッチは、「ダンディーな女性」がテーマだ。

 続いてパリ。イヴ・サンローランは白いタキシードが優雅な雰囲気。シャネルはシックなスーツの上にフェミニンなジャケットを重ね、さらに武骨なエンジニアブーツを合わせた。

 ニューヨークのデザイナーたちも紳士服から創作のヒントを得たようだ。ラルフ・ローレンは中国風の刺しゅうを施したタキシード風ジャケットにピンストライプのパンツを組み合わせた。ジェイソン・ウーのジャケットは丈が短めでウエストラインを絞り、女性の凛々(りり)しさを際立たせる。

 女性の社会進出が広がった1960年代、サンローランは、男が着ていたタキシードを女性のためにデザインし直して発表し、多くの人を驚かせた。それから半世紀近くが過ぎ、今では紳士服風の仕立てのスーツを着た女性を街で見かけることは珍しくなくなった。

 それだけに現在、紳士服風の意匠を取り入れるだけでは新味を打ち出すことは難しい。そこで一見紳士服風でも、繊細な刺しゅうを施したり生地に柔らかな素材を使ったり、デザイナーたちは様々な工夫を細部に凝らし、ドレスに劣らない華やかさを演出する。この秋、そんな服を着た「男装の麗人」が、日本の街でも見られるかもしれない。(生活情報部 谷本陽子)

2011年8月24日  読売新聞)

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