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別居の母の医療費、控除対象になる?

 市内で別居している84歳の母が手術し、身体障害者手帳4級となりました。現在、年金約181万円を受給中ですが、障害者控除が20数万円あるため、税金はかかっていません。私から毎月数万円を手渡しており、生計を一にしています。銀行振り込みでないため証明できませんが、母の医療費を私の医療費控除の対象にできるでしょうか。また、別居の母は扶養者・扶養控除の対象になるでしょうか。(I.K 52 長崎県)

医療費控除の対象だが、扶養は年金種別により異なる

 I.Kさんのお母様は生計を一にする親族に該当すると考えられ、I.Kさんが負担したお母様の医療費については、医療費控除の対象となります。扶養控除については、受給している年金の種類(性質)によって異なります。

 医療費控除は、自己または生計を一にする親族の医療費を支払った場合に適用できます。

 この場合の「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件としません。

 勤務、修学、療養等の都合上、他の親族と日常の起居を共にしていない場合でも、親族間で、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、これらの親族は、生計を一にするものとされています。

 I.Kさんの場合は、別居されているお母様に対して、銀行振り込みではありませんが、毎月数万円を手渡ししているということから、常に生活費、療養費等の送金が行われていると考えられますので、お母様は、「生計を一にする」に該当すると考えられます。

 したがって、I.Kさんがお母様の医療費の支払いをされているのであれば、お母様にかかった医療費については、医療費控除の適用を受けられます。

 扶養控除の対象となる扶養親族とは、16歳以上の者で納税者と生計を一にする親族のうち合計所得金額が38万円以下の親族に該当する者をいいます。

 お母様が受給している年金が、本人の国民年金・厚生年金などの場合、年金受給者が65歳以上の場合には、受給している年金の額が158万円までであれば、合計所得金額が38万円以下となります。

 したがって、I.Kさんのお母様が受給している年金の額は約181万円とのことですので、扶養親族には該当しません。

 お母様が受給している年金が遺族年金等、所得税が非課税となる年金の場合には、合計所得金額が0円となり、かつ、お母様の年齢が70歳以上ですので、老人扶養親族に該当し、I.Kさんは48万円の所得控除が受けられます。

 この場合には、お母様が障害者に該当しているとのことですから、障害者控除27万円の適用も受けられ、合計で75万円の所得控除が受けられます。

 (三上孝一・税理士)

2012年2月17日  読売新聞)

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