(2)目が離せず一人になれず――パパの育休体験
今春長女の育児で記者の仕事を3か月休んだ間、家事、育児のほとんどを私が担った。娘との時間を取り返したい。24時間一緒の日も多かった。
家事は娘をあやしながら行った。娘は朝5時前後に起床する。洗濯、3食の支度と片づけ、買い物、風呂、寝かしつけ、ゴミ出し、掃除――。ミルクが1日4回、オムツ替えが3時間おきぐらい。夜8時前後に寝た後も、ふとんをかけ直したり、風邪でせきをする娘の背中をトントン軽くたたいたりして、あまり眠れない日も。
子どもから目が離せないと痛感したことがあった。夕食にしようと乳幼児用のイスに娘を座らせた時にちょっと目を離して台所に戻った。娘は私のところに行こうとしたのかイスから落ちてしまった。かなり泣いてあせったが、けがはなく一安心。活発なのはうれしいが、どこまでも後追いしてくるので、一人になりたいと思うことがある。
一日があっという間に過ぎ、夜になるとぐったり。新聞や本を読んで勉強したいと思うのだが、結局娘と一緒に寝てしまう。家事や育児はいくらしても終わりはなく、休む時間はない。
大変さばかり強調してしまったが、収穫は娘をより深く見ることができるようになったこと。起きるときの様子、昼寝時間、ミルクの量、うんちの回数と硬軟、散歩や家で一緒に遊んでいる時の様子……。一日一日、だいたい同じだが微妙に違うことを思い浮かべながら、育児ノートに書き留める。
例えば、朝起きた直後でまぶたが重い時の表情。私の顔を見てにやっとしたら調子がいい時だ。起きた後の、はいはいの動きが鈍いと調子は悪い。
娘を細かに見ることができて、どんな機嫌か、泣いた時に何を要求しているのか次第に分かるようになった。風邪を引いていることが多く、自分がしっかり見ていなければという責任感が強くなった。
子どもが生まれれば自動的に父親になるが、育休によってより父親らしくなったような気がする。(小野仁)
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