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ファンクショナルトレーニングで「生活筋力」鍛えよう

立つ、座るスムーズに

 「ファンクショナルトレーニング」という言葉をご存じだろうか。立ったり、座ったり、体をひねったり……つまり基本的な筋力をアップする訓練のことで、習慣づけると、お年寄りは転びにくくなったり、スポーツ選手はケガの予防ができたりするという。本場アメリカ仕込みのトレーナー、スティーブ・ドノフリオさん(46)に具体的なやり方をみっちり習ってきたので、ワイド版で紹介しよう。(経済部 荒谷康平)

 「ファンクショナルトレーニングは、筋肉トレーニングではありません。動きのトレーニングです」とドノフリオさんは話す。2年前に東京・町田市にファンクショナルトレーニング専門教室「PURAFITNESS(プラフィットネス)」を開いた。

 このトレーニングはリハビリから発展したという。人間の動きは〈1〉立って移動する〈2〉立ったり、座ったりする〈3〉押したり、引いたりする〈4〉ひねる――の四つの動作で構成されているといい、これらの動作を、より強く、よりスムーズにできるようになることを目指す。生きていく上で基本的に必要な筋力、「生活筋力」の向上を目標にしている。

 トレーニングの種類は何百もあるが、基本的なものでは「スクワット」「腕立て伏せ」「バーピーズ」「リーチ」などがある。「知ってるものが多いじゃないか」と思うだろうが、「腕立て伏せ」一つ取っても52ものバリエーションがあり、やる人の身体機能レベルや、スポーツ選手なら種目で選べる。どの種目も身体機能が上がっていくにつれ、負荷の大きいバリエーションにステップアップできる。

ドノフリオさんも5分ほど続けると、息が上がってきた

 〈1〉ボールで「リーチ」

 具体的にトレーニングの中身を紹介する。

 まず、「リーチ」。前方にボールなど適当な物を置き、足を前後にずらして立つ。写真〈1〉のように腕を伸ばして物に触れる。シンプルだが、繰り返すと想像以上に疲れる。

 足や膝周辺の筋肉のほか、安定を保つため、上半身の筋肉も使う。このトレーニングは「実際にスポーツをしたり、生活をしたりする中では各部の関節や筋肉を同時に動かしている」という分析に基づき、「いろんなインナーマッスル(=内側の筋肉)を同時に鍛える」(ドノフリオさん)のが特徴だ。物を置く距離を調節したり、片手で触れるのを両手にしたりして、バリエーションをつければ、負荷のレベルを変えられる。

 ドノフリオさんは「お年寄りがこのトレーニングをしておくと、片手に買い物袋を提げている状態で鍵を落とした時、拾いやすい。けがも予防できる。若い人も、例えば、赤ちゃんを片腕で抱いた状態で自然にかがめる」と話す。

前脚の膝の角度が90度になるぐらいまで腰を落としていく

 〈2〉椅子を使って「バランスランジ」

 「バランスランジ」も紹介しておこう。

 「ランジ」という基本種目の応用編で、写真〈2〉のように後ろ足を椅子に載せ、前脚を垂直に立てた状態を維持しながら、前脚の膝の角度が90度になるぐらいまで腰を落とす。これを繰り返すとお尻を引き締められる。

 いろいろな種類のトレーニングを知りたい人はPURAFITNESSのホームページ(http://purafitness.jp)の「ファンクショナル」というバナーから、初心者がドノフリオさんと一緒にファンクショナルトレーニングに挑戦できるプログラムに進める。

 器具がなくてもできるし、スペースもいらない。20分あれば、十分トレーニングできる――と、良いことずくめに見えるファンクショナルトレーニングだが、マシンを使わないので、部分的に筋肉を増強することはできない。例えば、ラグビー選手やボディービルダーが上半身を大きくしたい、というのには不向きだ。

 トレーニングを続けるのには、動機や意欲が大切だ。

 彼の動機は息子とサッカーをすることという。以前、息子に「サッカーを一緒にやろう」と誘われたが、太っていたので、すぐに息が上がり、一緒に遊べなかった。それが痛恨の記憶となり、以来、トレーニングを続けている。

 動機は十人十色。PURAFITNESSに通う60歳代の女性は、続けているうち、「ベッドのへりや壁につかまらないで起き上がれた」と報告してきたという。ドノフリオさんは「動機を明確にしてトレーニングしよう」と話す。

 ■ゴムバンドやボード…市販器具 うまく使って

 「ファンクショナルトレーニング」は、表に紹介したような道具を使ってもできる。写真のように、トレーニングチューブと呼ばれるゴムバンドを使って「トライセップ エクステンション」という種目もできる。バンドを後ろ足で踏み、写真の状態から腕を上げてバンドを引っ張り上げる動作を繰り返し、二の腕を鍛える。

2012年3月7日  読売新聞)

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