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異色の指導者 熱く

バスケットボール女子代表監督 中川文一(64) 

「時代」取り込み 名将復帰

 抜群の実績を誇る名将でも、時代に応じて「変化」が求められる。

 1996年のアトランタ大会でチームを20年ぶりの五輪出場に導き、7位入賞を果たした。国内リーグではシャンソン化粧品を率いて前人未到の10連覇を達成するなど、ずば抜けた実績を誇り、一昨年、10年ぶりに代表監督に返り咲いた。

 日本人の特性であるスピードで、世界の高さに対抗するという基本的な考えは変わっていない。ただ、指導方法は変化した。

 昔は厳しい練習で知られ、「有無を言わさず、自分のやりたいことを全部やってきた」と振り返る。しかし、今は合宿期間も短く、練習も1日2時間程度と、以前の3分の2になった。

 今の選手は、幼い頃から競技を始め、情報量も豊富で、技量は格段にレベルアップしている。「なぜ、この練習が必要なのか。この監督は勝たしてくれるのか、という選別眼は厳しくなっている」と感じている。

 以前、作戦はすべて自分で立てていたが、今は外国人コーチらからも広く意見を聞く。選手の粘り強さなどは落ちていると感じており、守備や走る練習を、どうメニューにうまく組み込むかにも頭を使う。

 「今の選手は能力も高く、戦う姿勢もある。いかに納得させて、機能させるかが大切」。8月に行われたロンドン五輪アジア地区予選では、出場切符をつかめなかったが、来年6月開幕の世界最終予選で最後のチャンスにかける。(若水浩)

2011年10月26日  読売新聞)

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