数学の図形は１００点満点。夜９時に寝るの。

中国・上海の実験小学校で

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胡塵（フチェン）さん　１１歳

　上海市の長寧区にある長寧実験小学校の５年生です。学校は毎日、楽しい。学科の中では数学が大好き。学校での授業のほかに、校外の数学班にも参加していて、「オリンピック数学」や（日本の）「公文式数学」をやったこともあります。数学の「競技会」参加も申し込んでいるのよ。今は６年生から中学１年生くらいのレベルかな。５年生で勉強するはずのことは、３、４年生の時に終わっちゃったの。

　もともと美術が好きだったから、図形（ずけい）問題が大好き。学校の試験では、たいがい１００点満点とれるわ。「オリンピック」だと１２０点満点の１００点くらいかしら。

　なぜ数学が好きになったのか分からないけれど、小さい時からお父さん、お母さんがいろいろな図形を見せてくれたからかもしれない。２人とも銀行員（ぎんこういん）なんだけど、今では、買い物の時の計算なんて私のほうが速い時もある。

　勉強のために夜更（よふ）かししたりはしないわ。朝６時半に起きて夜９時に寝るのが毎日の生活。家での勉強は４、５時間かな。土曜日や日曜日も勉強するけど、運動やダンスも大好きなの。みんなが好きなアニメや音楽にはあんまり関心はなくて、テレビも科学とかドキュメンタリー番組をよく見るかな。

　両親は勉強にはうるさくはないのよ。自分でうまくできているんだと思うわ。

　（文と写真・伊藤　彰浩）

　■実験小学校　中国の小学校は、日本と同じ６年制。そのなかで、勉強やスポーツで新しいタイプの教育を行うのが実験小学校。優秀な子供を集めている。

　■オリンピック数学　中国の大都市では、学校の授業のほかに、課外（かがい）教育も盛んで、その代表的なものがオリンピック数学。学校の授業より高レベルな内容を誇（ほこ）る。地域ごとに、さらには全国レベルで数学の能力を競う「競技会」も行われる。