渋味おとなしく 程よい厚み長野県は善光寺平。ワインの取材でこの一帯を訪れることが、実に多い。というのもこの地では、ワイナリーが誕生したり、ブドウ畑が開かれたりと、ワイン造りの動きが非常に活発だからだ。今年の夏も、長野自動車道をひた走り、取材に向かった。 今回は足を延ばし、善光寺平の北端、信州中野市まで出かけた。そこで見つけたのがこのワイン、「たかやしろルージュ」だ。これも前回同様、「葡萄(ぶどう)酒」と呼ぶのがふさわしい。 育ての親は武田晃さんら中野市の巨峰農家4人。3年前、「自分たちでワインを造ってみよう」と集まり、ワイナリーを立ち上げた。実は4人とも名字は武田さん。聞けば、先祖は武田信玄の足軽だったとか。この地に移り住み、ヤリをスキに持ち替えて、暮らし続けてきた武田家の家来の子孫たちが、今度はワインを造り始めたというわけだ。 4人の畑は高社山(こうしゃさん)(高いお社(やしろ)という意味の山)山麓(さんろく)にあり、それにちなんでワイナリーもたかやしろファームと名付けた。 造りたかったのは、今まで自分たちの巨峰ブドウを買ってくれていた人たちでも気軽に飲めるワイン。いつもの食卓で楽しむ酒だ。 一口飲んで思わず声をあげた。とてもジューシーだが、渋味は極めておとなしい。でも、程よい厚みでうまいじゃないか! 武田さんたちは、もう少し涼しくなったら、同じく中野名産のキノコを使った鍋をつつきながら、このワインをぐびりとやるらしい。 鹿取みゆき(フード&ワインジャーナリスト) この一本たかやしろルージュ(長野)造りは極めてシンプル。5種類のブドウがブレンドされているというが、理屈抜きのおいしさだ。http://www.takayashirofarm.com/ 720ミリ・リットル 1365円 (2007年8月27日 読売新聞)
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