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食品表示ややこしい

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林家たい平/画

 〈1〉無農薬〈2〉低農薬〈3〉有機栽培〈4〉減農薬――これらを農薬使用量の少ない順に並べると? あるテレビ番組のクイズだが、答えが〈3〉〈1〉〈4〉〈2〉の順だった。

 「でも厳密には正解と言えません。〈2〉の表現に数値的基準はなく、〈1〉〈4〉は現在『特別栽培農産物』の表示で統一しています」とは農水省の見解だ。番組側も後日、その旨を断っていた。

 改めて整理する。2003年に改正された同省の新表示ガイドラインでは、農薬や化学肥料を使わないか大幅に減らすと、一括して特別栽培農産物になる。その場合「農薬は栽培期間中不使用」「化学肥料は当地比5割減」などと具体的に記し、使用量や回数、殺菌・殺虫・除草の別もすべて示す。だから「旧来の無農薬、減農薬といった大まかな区分より明確」(同省)というわけだ。

 〈3〉の有機農産物は日本農林規格(JAS)に基づく表示で、新ガイドラインとは別物。ただ、2年以上農薬や化学肥料を使っていない田畑での生産を登録条件とするなど、以前の無農薬(栽培中の不使用)表示よりは厳格なようだ。

 最近はこんな細かい食品表示が随分ある。例えば甘み。無糖、微糖、低糖、シュガーレス、ノンシュガーなどの表現以外に、甘さ控えめ、甘さすっきりといった言い回しも使われる。

 かと思えば、いまだに原産地や加工場所などの表示が一切ない「あじの開き」も堂々と鮮魚店に並ぶ。

 しかも、もしこれが『沼津産あじの開き』と書いてあると、実はそっちが禁止表現とも知らされた。「沼津産の意味が漁獲地なのか加工地なのかはっきりしないので」、NGなのだ。

 こうした“落とし穴”に勉強の必要性を感じつつ、でももう少しスッキリした表示にならないのかなあ。(宇佐美伸)

2006年2月20日  読売新聞)
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