ポケットに1冊
マグロほど日本人に愛されている魚はないだろう。今年の初競りで、5000万円以上の値がつくなど、すっかり高値の魚。「死日」を連想させる「シビ」と呼ばれた下魚で、脂っこいトロが捨てられていたのも今は昔だ。 (2月22日)[全文へ]
ロシア語通訳として活躍していた米原万里さん(1950〜2006)は1984年から85年にかけて、冬になるとマイナス50℃まで下がる極寒のシベリアに旅した。 (2月15日)[全文へ]
2012年「おすすめ文庫王国」の国内ミステリー部門で、ダントツ1位となった文庫で、帯には書店員の〈「百万部売っても売り足りない!」と叫びたくなるほどの珠玉の1冊だ!〉との推薦文が躍る。 (1月25日)[全文へ]
「
〈奥さんというものはだらしのない、詰らない人間の代名詞〉と断じ、せっけんという音からは、〈喫茶店の手洗いにおいてある、薄黒い
24日朝、84歳で死去した作家の北杜夫さんは、その前日に入院した病院で、大学生の孫に「元気でね」と繰り返すなど、いつも通り家族思いだったという。 (11月2日)[全文へ]
文芸評論家の小林秀雄(1902〜83)の著作は、若い頃は背伸びをしてでも読まなければならない本の代表格であり、難解さも突出していた。『考えるヒント』など、とことん考え抜く文章は刺激的だったが、一読二読しても理解できない批評もあった。 (10月19日)[全文へ]
作家の有吉佐和子(1931〜84)は、自らをハストリアンと称した。彼の歴史(his+story)のヒストリーではなく、彼女の歴史(her+story)としてのハストリー。 (9月21日)[全文へ]
「飢えた子の前で、文学は可能か」。哲学者サルトルはかつて、この問いを出した。もちろん文学は、飢えた子の腹は満たさない。でも、物語には心を満たす力がある。 (9月14日)[全文へ]
- 『赤頭巾ちゃん気をつけて』 庄司薫著 (3月7日)
- 『マグロはおもしろい』 北川貴士著 (2月22日)
- 『マイナス50℃の世界』 米原万里著 (2月15日)
- 『ベトナム報道』 日野啓三著 (2月8日)
- 『傍聞き』 長岡弘樹著 (1月25日)
- 『晩節 密命・終(つい)の一刀〈巻之二十六〉』 佐伯泰英著 (1月18日)
- 『斬(ざん)』 綱淵謙錠著 (1月11日)
- 『忘れられる過去』 荒川洋治著 (12月21日)
- 『大阪文学名作選』 富岡多惠子編 (12月14日)
- 『不作法のすすめ』 吉行淳之介著 (12月7日)
- 『ちいさいモモちゃん』 松谷みよ子著 (11月23日)
- 『百代の過客』 ドナルド・キーン著 (11月16日)
- 『魔利のひとりごと』 森茉莉著 (11月9日)
- 『マンボウ家族航海記』 北杜夫著 (11月2日)
- 『兄 小林秀雄との対話』 高見沢潤子著 (10月19日)
- 『旗本退屈男』 佐々木味津三著 (10月12日)
- 『光る壁画』 吉村昭著 (10月5日)
- 『青い壺』 有吉佐和子著 (9月21日)
- 『まゆみのマーチ 自選短編集・女子編』 重松清著 (9月14日)
- 『天馬の脚』 室生犀星著 (9月7日)
- 『動物の値段』 白輪剛史著 (8月24日)
- 『戦争童話集』 今江祥智著 (8月17日)
- 『ぶらりニッポンの島旅』 管洋志著 (8月10日)
- 『地震雑感/津浪と人間』 寺田寅彦随筆選集 (8月3日)
- 『食いしん坊』 小島政二郎著 (7月20日)
- 『神様のカルテ』 夏川草介著 (7月13日)
- 『流言蜚語』 清水幾太郎著 (7月6日)
- 『梁塵秘抄』 後白河法皇編纂 川村湊訳 (6月22日)
- 『寝ても覚めても本の虫』 児玉清著 (6月15日)
- 『若き芸術家たちへ ねがいは「普通」』 佐藤忠良・安野光雅著 (6月8日)
- 『笛吹川』 深沢七郎著 (5月18日)
- 『身近な雑草の愉快な生きかた』 稲垣栄洋著/三上修画 (5月11日)
- 『随感録』 浜口雄幸著 (5月4日)
- 『カンディード』 ヴォルテール著 (4月20日)
- 『円谷英二の言葉』 右田昌万著 (4月13日)
- 『へっぽこ先生その他』 永井龍男著 (3月25日)