現在位置は です

本文です

ポケットに1冊


 思春期の男の子というのは相当にややこしい。 (3月7日)[全文へ]


 マグロほど日本人に愛されている魚はないだろう。今年の初競りで、5000万円以上の値がつくなど、すっかり高値の魚。「死日」を連想させる「シビ」と呼ばれた下魚で、脂っこいトロが捨てられていたのも今は昔だ。 (2月22日)[全文へ]


 ロシア語通訳として活躍していた米原万里さん(1950〜2006)は1984年から85年にかけて、冬になるとマイナス50℃まで下がる極寒のシベリアに旅した。 (2月15日)[全文へ]


 ベトナム戦争は、今の若い人には遠い日の出来事であろう。だから、この戦争報道の日常を精緻に記した本を手に取る人も少ないかもしれない。 (2月8日)[全文へ]


 2012年「おすすめ文庫王国」の国内ミステリー部門で、ダントツ1位となった文庫で、帯には書店員の〈「百万部売っても売り足りない!」と叫びたくなるほどの珠玉の1冊だ!〉との推薦文が躍る。 (1月25日)[全文へ]


 累計625万部の「密命」シリーズが、ついに完結した。 (1月18日)[全文へ]


 軽い気持ちで手にしたら返り血を浴びる、こわい小説である。 (1月11日)[全文へ]


 読む本がなくなると、パンフレットの類など、活字のあるものなら何でも読む人がいる。活字中毒者であり、私もその一人だ。 (12月21日)[全文へ]


 アラカン(嵐寛寿郎)、エノケン(榎本健一)といえば、大衆人気を博した俳優であり、喜劇人だ。 (12月14日)[全文へ]


 「腿膝(モモヒザ)三年、尻八年」といった酒場の猥談(わいだん)から、赤線地帯に棲息(せいそく)していた女性の話まで、一見、上品な方にはすすめにくいエッセー集だ。しかし、下品には落ちない。いや、文壇のダンディズムを代表した吉行淳之介(1924〜94)の手にかかると、野暮はすれすれのところで粋となり、俗は洒脱(しゃだつ)になる。 (12月7日)[全文へ]


 ちいさいころ、人さらいが怖かった。 (11月23日)[全文へ]


 日記には人には知られたくない怒り、(かな)しみがつづられる。 (11月16日)[全文へ]


 〈奥さんというものはだらしのない、詰らない人間の代名詞〉と断じ、せっけんという音からは、〈喫茶店の手洗いにおいてある、薄黒い亀裂(ひび)の入った〉石鹸(せっけん)を連想する。そして、〈気が利いてものの(わか)った〉戦前の町のお内儀(かみ)さんの粋さを買い、自分の幼い体を洗った競馬石鹸というシャボンの追憶の香りを()でる。 (11月9日)[全文へ]


 24日朝、84歳で死去した作家の北杜夫さんは、その前日に入院した病院で、大学生の孫に「元気でね」と繰り返すなど、いつも通り家族思いだったという。 (11月2日)[全文へ]


 文芸評論家の小林秀雄(1902〜83)の著作は、若い頃は背伸びをしてでも読まなければならない本の代表格であり、難解さも突出していた。『考えるヒント』など、とことん考え抜く文章は刺激的だったが、一読二読しても理解できない批評もあった。 (10月19日)[全文へ]


 「この額の三日月が目に入らぬか!」――。市川右太衛門、北大路欣也の名演でおなじみの旗本退屈男が帰ってきた。 (10月12日)[全文へ]


 二十歳の時、肺を患い、肋骨(ろっこつ)を5本切除した吉村昭さん(1927〜2006)にとって「命」は大きなテーマだった。 (10月5日)[全文へ]


 作家の有吉佐和子(1931〜84)は、自らをハストリアンと称した。彼の歴史(his+story)のヒストリーではなく、彼女の歴史(her+story)としてのハストリー。 (9月21日)[全文へ]


 「飢えた子の前で、文学は可能か」。哲学者サルトルはかつて、この問いを出した。もちろん文学は、飢えた子の腹は満たさない。でも、物語には心を満たす力がある。 (9月14日)[全文へ]


 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」の詩で知られる室生犀星(1889〜1962)が静かなブームだ。 (9月7日)[全文へ]




現在位置は です


編集者が選ぶ2011年海外ミステリー

海外ミステリーが傑作揃いだった2011年。各社担当編集者のベスト5を紹介します。

連載・企画

海外ミステリー応援隊【番外編】 2011年総括座談会
世界の長・短編大豊作…やはり新作「007」、「犯罪」不思議な味、北欧モノ健在(11月29日)

読書委員が選ぶ「震災後」の一冊

東日本大震災後の今だからこそ読みたい本20冊を被災3県の学校などに寄贈するプロジェクト

読売文学賞

読売文学賞の人びと
第63回受賞者にインタビュー

リンク