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『文芸別冊 諸星大二郎』

 2年前の「ユリイカ」誌の特集に続き、「西遊妖猿伝」などの幻想マンガで知られる孤高の大家を掘り下げた「文芸別冊 諸星大二郎」(河出書房新社)が登場した。

 「現代の神話を語り続けて」と題したインタビューや人類学者、中国文学者らの作品分析など盛りだくさん。「人の潜在意識の共通イメージ」を独特の絵が喚起するという山岸凉子氏の指摘も鋭い。怪鳥ハーピーやヒルコなど恐ろしいはずの諸星キャラを吾妻ひでお氏がかわいく描いたマンガは必見。

2011年12月29日  読売新聞)

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