抱っこひも 正しく調節
人形・タオルで動作確認
赤ちゃんと一緒に外出する時などに重宝する抱っこひも。最近は、幅広の腰ベルトがついているものが人気だ。使い方をしっかり把握して、安全で快適な育児をしたい。
最近の抱っこひもは、赤ちゃんが体の前面にくる「縦抱き」、背中での「おんぶ」、寝かせた状態の「横抱き」など複数の使い方が可能なものが増えている。
育児用品のアップリカ・チルドレンズプロダクツ(本社・大阪市)によると、中でも、幅広の腰ベルトがついている抱っこひもが主流になりつつある。海外メーカーが考案し、日本でも3年ほど前から普及し始めた。
東京都杉並区の主婦、荻野美子さん(33)も、海外メーカーの腰ベルトタイプを生後2か月の次男を抱っこする際に使っている。以前使っていた腰ベルトがないタイプと比べ、重みが肩と腰に分散され楽だというが、「ベルト類をどの程度締めたら良いか迷うことがある」と話す。
アップリカ社マーケティング本部の辻本侑子さんによると、腰ベルトは、左右の腰骨の出っ張りを包み込むように位置を合わせ、少しきついかなと感じるぐらいで締める。締め方が緩いと腰ベルトがずり下がって肩の負担が増し、歩く際に赤ちゃんが揺れやすくなる。
肩ベルトは肩関節近くを通るようにする。ベルトが首近くの筋肉の上に乗る状態で使うと肩が凝りやすくなる。
肩ベルトの長さは、赤ちゃんがぐらつかないように調節する。密着するほど安定するが、「夏場などは、汗をかいていないか、こまめにチェックして臨機応変に調節してください」と話す。
多種類の商品が流通している抱っこひも。赤ちゃんの安全にもかかわるだけに、使用方法をしっかり身に着けておきたい。
東京都江東区を中心に子育て講座などを開く「赤ちゃんとの暮らし研究会」代表の渡辺玲子さんは「購入したら、人形やタオルなどで練習してください」と話す。
抱っこひもは、赤ちゃんを背負ってから、肩ベルトに付属するひもを引っ張って締め具合を調整することが多い。人形やタオルを使って、その動作を確認する。「3キロ・グラム程度の赤ちゃんなら、タオルで試してみて。もう少し大きな赤ちゃんなら5キロ・グラムの米袋を入れてもよいでしょう」
夫婦や友人らとチェックし合いながら試せば分かりやすい。1人なら、鏡を見て確認する。ホームページに装着方法の動画を載せているメーカーもある。
渡辺さんは、商品選びの際に親が陥りやすい点として、体重何キロまで使えるか、何歳まで使えるかなどで判断する傾向を挙げる。「子どもも親も体形は変わっていく。先を見越して製品を選ぶのではなく、その時点で一番合ったものを選ぶ。成長に応じて買い替えることも必要です」とアドバイスする。
また、1時間に1度程度は赤ちゃんを下ろして、親子ともにリラックスするように心がけることも大切だという。気分転換になる上、子どもの異変にも気付きやすい。「子どもが歩きたがったら、時には抱っこひもを解いて、応えてあげて。それも成長につながります」と話す。
■抱っこひもの選び方の留意点
・「売れ筋」「人気商品」などの言葉に振り回されない。海外製品には小柄な人に合わないものもある
・自分にとって使い方が複雑過ぎないか、よく吟味する
・赤ちゃんが眠った時のために「首サポート」はついているか。ついていない場合は、片手を添えることが必要
■抱っこひもの使い方の留意点
・赤ちゃんは想定外の動きをすることがある。ベルト類に緩みがないかチェックする
・前側に抱っこした場合は見えにくくなる足元に、おんぶの場合は台所など狭い場所での動きに注意する
・赤ちゃんの顔色をこまめに確認。睡眠時用のフードで覆った時にも注意する
(渡辺さんの話を基に作成)
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