現在位置は です

本文です
恋活小町

「彼の前で小食」は女性らしさの表現? それとも…

 「彼氏と会っていると食欲がなくなってしまいます」という投稿が寄せられました。トピ主さんは、「彼と会う前や会っている最中に、なぜか食欲がなくなってしまう。付き合って半年もたつのに、この調子で大丈夫なのか、自分と彼は合わないのだろうか……」と悩んでいらっしゃる状況です。

男も女もステレオタイプ化

 皆さんにもおそらく覚えがあると思いますが、「男性の前で小食になる」ということ自体は、女性にとって特別珍しいことではありません。心理学者プリナーとチェイクンの実験によっても、「女性は、女性を前にしたときよりも、男性を前にしたときのほうが、食事量が少なくなること」、そして「魅力的だと感じる男性の前で、女性はさらに食事量が少なくなること」が証明されています。

 世の中には一般的に「小食=女性らしい」という風潮がありますので、女性は男性を前にすると、意識的にも無意識にも「女らしくありたい、女らしく見られたい」という心理が働き、それで小食になると分析されています。また、特に「魅力的と感じる男性」の前では、女性は「小食」「控えめ」「非力」「にこやか」等々の、女性らしさの典型(ステレオタイプ)に沿った行動を「強調」することが知られています。こういった行動は「ステレオタイプの自己呈示」と呼ばれ、食事量に限りません。例えば、好きな男性の前で「重たいものを持てない」というようなしぐさをするのも、こうした行動の一つなのですね。

 これは男性側にも起こる心理行動で、気になる女性の前では、率先して重たいものを持ってあげたり、お金がなくてもおごってあげたりと、「男らしく見られたい」という思いから、男らしさのステレオタイプ(力強い、気前が良いなど)を強調する行動を取りがちです。ちなみに男性は、「運動能力」の部分で「男らしさ」を意識する人が多いことも分かっています。学生時代、好きな女の子の前で、スポーツで不格好な姿を見せるのが本当に嫌だった……なんて思い出がある男性も少なくはないのでは?

「緊張感」は恋の証し

 さて、トピ主さんが彼の前で食欲が湧かないのは、上記のような「彼の前で女らしく振る舞いたい、振る舞わなくてはと思うから」という理由がひとつ考えられます。意識していない異性の前では普通に振る舞えても、「よく見られたい」と思う相手を目前にすると、「嫌われたらどうしよう」というプレッシャーを感じ、行動も不自然になってしまうのですね。

 大ヒット漫画「ハチミツとクローバー」という作品のなかに、こんなシーンがあるのをご存じでしょうか。主人公はぐみが、好きな青年と初めて2人きりで出かけた日。帰宅後に父親代わりの修司から「楽しかった?」と聞かれると、はぐみはベソをかきながら、こう答えます。「緊張するし、歩くの追いつくの大変だし、目の前だと(大好きな)プリンも食べられないし、全然、楽しくなんかなかった……」と。それを聞いた修司は、「それが恋、なんだよ」と心の中で(つぶや)きます。

 以前の記事(「この人を好きになれたら……」と悩むときは)でも書きましたが、「緊張感」というのは恋をしている証しでもあります。好きな人と一緒にいると緊張するのは、相手から自分への視線を過剰に感じ、「公的自己意識(=他者から見られる自分を意識する傾向)」が一気に高まるため。「自分は相手にどう見えているかな」「どこか変じゃないだろうか」など、普段は意識していない様々な部分(容姿、服装、声、話し方、等々)が気になってきてくるのですね。この「公的自己意識」が高まるほど、「自分はダメだ、かっこ悪い」「私はみにくい」などと感じ、自己評価が低下してしまうことも分かっています。

2012年3月8日  読売新聞)

 ピックアップ

トップ


現在位置は です


ケータイから発言小町の投稿・閲覧ができます
「掲載お知らせメール」も届きます
QRコード

小町テレビ


くらげっとのつぶやき
小町さんのつぶやき

発言小町のガジェットができたよ!
ブラウザを起動しなくても、新着トピやよく読まれているトピが表示されるし、YOLの主要ニュースや話題のキーワードがわかる便利なツールです。今すぐ、ここからダウンロードしてね!