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ダイスケ効果 16億円超

ボストン活況

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松坂のホーム初登板には、地元ファンの中に日本人の姿も多く見られた(11日、ボストンで)=金沢修撮影

 レッドソックスへの松坂大輔の加入で地元ボストンがわいている。あちこちに日本語の看板が目立ち、松坂関連商品も飛ぶように売れている。何よりも大きな期待を抱いているのが、観光関係者だ。

 ボストン観光協会のパトリック・モスカリトロ会長は「スタジアムの壁を超えて松坂は街にインパクトを与えてくれるはずだ」と興奮を隠せない。ボストン市内のホテルには、新たに和食と日本のビールをメニューに組み込んだところも現れた。「松坂がレッドソックスと契約してなかったら、ありえなかったこと」とモスカリトロ会長は言う。

 ただ、観光協会が試算した経済効果は宿泊費や食事代、買い物代などで1400万ドル(約16億6000万円)、観光客の増加は年間1万人と、やや控えめだ。〈1〉イチロー(2000万ドル=約23億7000万円)や松井秀(5000万ドル=約59億3000万円)のように毎日、試合に出る野手でない〈2〉本拠地球場の収容人数がヤンキース、マリナーズに比べ少なく、チケットは307試合、売り切れが続いている〈3〉2都市と違い、日本からの直行便がなく、観光客はニューヨークやワシントンが拠点になる――ことなどが、理由だという。

 しかし、その数字は純粋に観光に関するものだけ。頻繁にメディアに取り上げられることによる宣伝効果や、地元が期待している日本企業のボストンの新聞やテレビなどへの広告、CM料などは、含めていない。実際にフェンウェーパークでは松坂の登板する日には日本企業の広告も登場している。あらゆる要素を組み入れると、松坂効果は1400万ドルにとどまらない。「一つの競技の一個人が、これほど影響を与えるなんて、この業界に勤めて初めての経験だ」。モスカリトロ会長の鼻息は荒い。

 「レッドソックスに入ってまだ数か月なのに、我々はダイスケがやってきたことによる興奮的なシーンを数多く見てきた。商品棚からはTシャツが飛ぶようになくなり、報道陣や観光客が大挙して我々の街にやって来る」。ボストンのトーマス・メニーノ市長も松坂ブームに驚きのコメントを読売新聞に寄せた。熱狂的なレッドソックスファンであるという市長。個人としても市長としても松坂の加入に大喜びだ。「ボストンの国際的な知名度がさらに上がることに興奮でゾクゾクする。ボストンにやってくる人すべてを両手を広げて歓迎する」

 イチローとの対決に続き、22日にはヤンキース戦に登板する。ライバル対決が、松坂の登場でさらにヒートアップするのは間違いない。(下村征太郎)

2007年4月20日  読売新聞)
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